1990年代をピークに大ヒットしたエンブレムのゴールド化。高級車からはじまり軽自動車に至るまで、多くのクルマにオプション設定されていたアレだ。
今やブラック塗装しているオーナーさんはいるものの、あえて金色を選んでいるひとはかなり少数な印象だ。そもそもあの金色ブームって何が始まりで、あそこまでヒットしていたのはなぜなのよ……
文/小鮒康一、写真/TOYOTA、HONDA、AdobeStock
■クラウンにカローラまで!! ゴールドエンブレムがめっちゃ流行った1980年代
クルマの素性を表すエンブレムは、メーカー名や車名、果てはグレード名を表すものまでさまざまなものが設定されている。小さなアイテムではあるもののユーザーの個性を演出する大切なものでもあるのだ。
最近ではこのエンブレムをブラックアウトしてシックな装いとするカスタマイズが流行しているが、80年代のエンブレムのカスタマイズと言えば金メッキが施されたゴールドエンブレムと相場が決まっていたのだ。
元々の発祥は不明であるが、80年代にはトヨタ車のセダン系モデルを中心にゴールドエンブレムを装着するユーザーが多く、クラウンやマークIIといった高級~ミドルクラスのセダン。
さらにはカローラのような大衆セダンにもゴールドエンブレムがディーラーオプションとして用意され、こぞってそれを装着していたのである。
そもそも80年代といえばクルマはまだまだ高嶺の花であり、例え大衆車であっても購入するのは一大イベント(これは今でも同様であるが)。
そのため、そんな一大決心をして購入した愛車をより立派に見せたくなるのは人の常であり、愛車をより輝かせるアイテムとしてゴールドエンブレムが選択されていたということなのだろう。
ちなみにトヨタのゴールドエンブレムは、上級車種用になると商品名に「ゴールドエンブレム(24金メッキ)」と堂々と書かれており、高級車である愛車をより引き立ててくれるマストアイテムとなっていたのだ。
■1990年代に再浮上! N-BOXには未だに設定アリ
その後、ゴールドエンブレムブームはやや下火となってきたのだが、ここで再びその人気に火をつけたのが、90年代のホンダ車だ。
当時、斬新なピープルムーバーとして誕生した初代ステップワゴンやオデッセイ、CR-Vといった新時代を彩る車種にゴールドエンブレムが設定されており、これらを購入したユーザーの多くがそれを選択し、装着していたのである。
今でも当時の面影を残す車両をたまに見かけて懐かしい気持ちになった人もいることだろう。
ちなみにホンダではN-BOXやヴェゼルなど、一部の車種において今でもゴールドエンブレムのオプションの設定が存在している。今では見かける機会も減ってしまったゴールドエンブレムではあるが、設定が残っているということは一定の需要があるということなのだろう。
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