■3位 プジョー 308(320万6000〜515万1000円)
●尖っているけど独自の味わいあり
次世代を直感させる、デジタルアートのようなフロントマスク。9年ぶりのフルモデルチェンジは、単なる外観やプラットフォーム刷新という視点のみならず、308という商品のあり方が大きく変わったと言える。
換言すると、これまで背負っていたプレッシャーから解き放たれたように思う。
307後継車として生まれた308は、2000年代中盤から台頭した、いわゆるBRICsと呼ばれるような新興国と、欧州市場との橋渡し役という位置付けであった。
多様な市場で稼ぎ頭のCセグメントとして活躍するために派生車や多様なパワートレーンを展開してきた。だが、ステランティスという大きな枠組みとなり、308はグローバルでおしなべて平均点を取るのではなく、尖ったクルマとしてその存在感を強調する姿勢へと大きく変化した。
デザイン、走り、インフォテイメントなど、308ならではの味わいが深まった。
日本仕様では、ガソリンターボ、ディーゼルターボ、さらにハイブリッド車があるが、それぞれが明確な個性を打ち出しているところがいい。
●採点
・ハンドリング:★★★★☆
・乗り心地:★★★★★
・エンジン:★★★★☆
・コスパ:★★★★☆
・総合評価90/100:点
■3位 アウディ A3(328万〜500万円)
●安心感のなかにキレがある
安心感のなかに、キレがある。それが、A3の走り味だ。
さらには、いわゆるライフスタイル系商品としての付加価値を感じる。そもそも、クルマのライフスタイル系という分野は1980年代以降、アウディが他社に先行してきた。
ライフスタイル系とはひとつのブランド戦略であるが、VWグループのCセグメントでは、VWブランドを中核に、上級ブランドのアウディ、そして欧州大衆ブランドとしてスペインのセアトとチェコのシュコダがある。
そうしたなかで、A3はアウディの王道であると同時に、乗る者が次世代のアウディを肌で感じ取れるような味わいを感じる。
その味わいも、内燃機関としてはそろそろ最終章にさしかかっている。アウディは2026年、新たに発表するモデルはすべてBEVとなり、2033年には内燃機関の生産を停止する。内燃機関A3のファイナルステージ間近の今、A3には改めて乗っておきたい。
●採点
・ハンドリング:★★★★★
・乗り心地:★★★★☆
・エンジン:★★★★☆
・コスパ:★★★★☆
・総合評価:90/100点
■5位 ルノー メガーヌ(314万〜559万円)
●フランス車らしさを味わえる一台
クルマ好きがメガーヌと聞けば、R.S.エンブレムを連想する人が少なくないかもしれない。
R.S.は、独ニュルでFF最速を銘打つルノー・スポールの傑作である。それは、ただ速いのではなく、速さに独特の躍動感が漲っている点が、多くのファンを魅了するのだと思う。
そんなクルマとしての躍動感は、メガーヌINTENSでも、メガーヌスポーツツアラーINTENSでも同じように感じる。モデルライフで見ると、メガーヌはそろそろ中盤期だが、エクステリアデザインからはルノーらしさ、そしてフランス車らしさがダイレクトに伝わってくる。
またルノー・日産・三菱アライアンスの効果によって、マイナーチェンジを含めた車体や部品の効率的な採用から、走りや乗り心地の熟成も着実に進んでいると感じる。
日本人とって、初めてのフランス車を楽しむには、メガーヌが見逃せないだろう。
●採点
・ハンドリング:★★★★☆
・乗り心地:★★★★☆
・エンジン:★★★★☆
・コスパ:★★★★☆
・総合評価:89/100点
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