■伸びしろは0cm/永田恵一
(TEXT/永田恵一)
「軽自動車の背はどこまで高くなるのか?」というテーマ、私は「ウェイクくらいが限界」と考えている。そう考える根拠はふたつだ。
ひとつは今クルマを選ぶ際に、特に軽自動車の場合は広さと同じくらい重要になっている燃費に対する悪影響だ。
ウェイクとタントのJC08モード燃費をNAエンジンを搭載するベーシックグレード同士で比べてみると28.0km/Lのタントに対し、ウェイクは25.4km/Lとウェイクはタントに対し約10%燃費が悪い。
この主な要因はタントに対し70kg重い990kgという車重、ファイナルギアを重量増に対応するため約6%ローギヤードにしていることが思い浮かぶが、実走行になると空気抵抗の違いも悪影響を与えることが想像できるので、モード燃費の差以上に広がると考えられる。
ふたつ目は走行性能の悪化だ。ハンドリングと乗り心地のバランスを考えてみても、ロール量が大きくなる全高の高いクルマはロール量を抑えるためスプリングを硬くせざるを得ず、良質なダンパーが必要になるなど、高い技術力が要求され、コストもかかる方向になる。
動力性能に関してもNA(自然吸気)エンジンを搭載する軽自動車の動力性能向上が目覚ましいといっても、車重が最低約1トンとなればさすがにターボが欲しくなり、これまた実質的な価格上昇につながる。加えて、ウェイクのターボ車は車重が1トンを超えており、重量税が軽でありながら1トンから1.5トンに区分されるのは考え物だ。
といったことを総合すると、ウェイクの売れ方によってフォロワーが出ることは考えられるにせよ、これ以上全高の高い軽乗用車が出ることはないと思う。
■まとめ
(TEXT/ベストカー編集部)
ウェイクが新ジャンルを切り開くのかを検証したこの企画だったが、さて2018年12月現在、主だった軽ハイトたちの全高、室内高、直近の月間販売台数、そして価格を表にしてみた(下)。
こうしてみると、ピクシスメガがウェイクをベースにしていることを考えれば、やはりウェイクの全高1835mm、室内高1445mmは出色の数字だということがわかる(人の身長の5センチ差を思い受かべてもらえれば、室内高の5センチ差の大きさがどれだけ大きいかがわかるはずだ)。
お3方のご意見、どうも否定的な印象が否めなかったが、こうしてみると、よっ! さすが! と言わざるを得ない。
とは言え、快適・利便性に富んだ室内を持っているウェイク、その「次」の登場も期待して待ちたいものだ。メーカーさん、お願いします! 頑張って!
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