いまだに忘れられない強烈な印象を残しているクルマ、そのひとつにホンダのシティがある。それまでのクルマとは違う方向性を持ってつくられ、5年ほどの間、大いに世間を楽しませてくれた。
世間のニーズをマーケティングしてそれに合わせたクルマをつくる、というのではなく、世間を引っ張っていくというような発想でつくられているクルマ。あの頃のホンダだからこそ生まれ得たユニークさがあって、思い返すとなにか話題づくりのために登場したアドバルーンのようにも思えたりする。
ベイシックカーだからこそ楽しみを盛り込みたい、そんな遊び心も感じられ、クルマ好きは共鳴したものだ。
文、写真/いのうえ・こーいち
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