クルマは機械であり、使用するに従って各部が疲労・劣化して、いずれは寿命を迎えることになる。しかし、精密機械であるはずのクルマにも生物同様に寿命の個体差はある。では、愛車の寿命を知る方法はあるのか? そしてそれは新車から何年? 今回はクルマの寿命とそれを知らせるサインについて考えてみよう。
文/長谷川 敦、写真/写真AC、スバル、マツダ、日産、トヨタ、スズキ
【画像ギャラリー】1台のクルマを長く乗り続けたいなら知っておくべき知識とは?(15枚)画像ギャラリーわかりやすい目安は走行距離
クルマを使うこと、それは走行を重ねることにほかならない。つまり、走行距離が伸びれば伸びるほどそのクルマは耐用限界に近づいていく。では、いったい何km走れば限界がくるのか?
ここで問題になるのが“乗り方”と“メンテナンスの頻度”だ。機械というのは使い方によって各部の摩耗や疲労の度合いが変わり、クルマもそれは同じ。アクセルを必要以上にアオったり、ブレーキもガンガン踏んでいたりすると疲労の進行も早くなる。とはいえ自分が日頃どのように運転しているのかを客観的に判断できる人は少ないだろうから、ここでは乗り方ついてはいったんおいておく。
そしてメンテナンスの頻度だが、当然ながら、マメな点検とメンテナンスを実施しているクルマの寿命は延びる。点検で不具合が発見された部品を修理、あるいは新品に交換すればリフレッシュになるし、エンジンオイルの定期的な交換もエンジンの延命につながる。そのため、やはりここではメンテナンスの頻度を“一般的”と定義させてもらう。
乗り方とメンテナンス頻度が一般的であれば、現代の日本車は15万km程度なら楽々走れてしまう。しかし、さすがにこの距離を走った場合は注意が必要になる。以前は「クルマの寿命は走行10万km程度」と言われていたが、製造品質が向上した現在では、10万kmでガタがくる国産車は稀だ。
ただし、1年で3万km以上を乗るヘビーユーザーの場合、クルマの疲労も進みやすくなる。こうしたケースでは、10万kmが寿命の目安になりそうだ。この時点でしっかりと点検を行い、まだ大丈夫ということであれば継続使用も問題ない。
使用年数で考えるクルマの寿命
何km乗っているかの次に考えたいのが「何年乗っているのか?」だ。以前は新車登録から10年が寿命の目安と言われてきたが、これは10年を経過した車両の車検が、2年に1回から毎年になっていたのがその理由。
だが、クルマの寿命が延びていることもあり、この毎年車検の制度は撤廃され、現在では10年以上乗っているクルマでも車検は2年ごとでOKとなっている。
次に気になるのが税金のこと。現在の法制度では、新車登録から13年以後は自動車税と重量税額が上がってしまう。お気に入りのクルマを大切にしている人が、ただ古いという理由だけで多くの税金を払わなくてはいけないのは理不尽にも思えるが、法律がそうなっているのは事実。そのため、13年をクルマ寿命のひとつの目安にしている人もいる。
クルマの買い替えで新車、あるいは中古車に乗り換える場合、現在乗っているクルマを下取りに出すことが多い。この時の下取り価格は、クルマが新しいほど高額になるのは容易に想像できるはず。もちろん、クルマの状態も重要ではあるが、やはり古いクルマに高値はつきづらく、年式によっては下取り価格ゼロというケースもある。
下取り価格=クルマの寿命ではないものの、価格が低い、または査定でゼロ円になってしまったクルマは、ある意味寿命を迎えているとも言える。トヨタのAE86や歴代スカイラインGT-Rなどのように、時代をへて価格が下がるどころかますます高騰する車種もあるが、これらはきわめてレアなケースだ。
コメント
コメントの使い方最初の写真ですフォークリフトに載せられて、さもこれからスクラップと言わんばかりの車が、俺が今乗ってる車とカラー含め全く同じフォレスターなので、なんか悲しくなった。
そして家族が93年式E100型カローラに乗ってるが、昨年当て逃げ被害にあって左フロント側面の外装をトヨタに頼んだら、古い車だから時間かかるかと思っていたけど2週間くらいで届いて驚いた。
入院する頻度が増えてきたらそろそろ考えた方がいいね。
買い換えるタイミングも大事だと思うよ。
イメージだと長く乗れそうな欧州でも、メーカー側は部品無いからどんどん次買ってください、と割り切っている所が多いです。
国内でその割り切りが節操ないのはホンダで、大手比較で大幅に既存部品の生産年数が少ないだけじゃなく、ヘリテージ系も金にならないからやりませんとキッパリ。
確かに安全性だけなら次々新しい車に替えた方がいいのでしょうが、環境負荷やもったいない精神が叫ばれている近年、寂しい気持ちがあります