パーツがなければ走れない?
いくら気を遣って大事に乗っていても、機械である以上どこかに不具合が出てしまうこともある。不具合の出た部分を修理、あるいはパーツ交換できればいいのだが、問題はパーツが入手不可能な時だ。
国産車の場合、メーカー純正の部品は「そのクルマの生産終了から10年目までは在庫すること」と法律で決められている。ということは、生産終了後10年以降はメーカー純正パーツが入手できない可能性がある。どうしても交換が必要なパーツが手に入らなければ、そこでクルマの寿命は尽きてしまう。
前出のAE86やGT-Rのような人気車であればサードパーティが補修パーツを製造していることがあり、一般のクルマであっても、汎用性のあるパーツならば社外品で代用できるケースも多い。
ベンツやBMWなど、クルマを長く使う習慣のある欧州のメーカーでは比較的長期間補修パーツを在庫しているが、買い替えサイクルの速い国産車では「10年まで」という法律も要因となって、古いクルマのパーツが入手しにくいのが難点ではある。
どこで知る? 寿命のサイン
最後はクルマの寿命をどうやって知るかを考えていきたい。
●トラブル頻発には要注意
長く走らせているクルマは各部に故障が起きやすくなってくる。故障した箇所を修理しても、すぐに別の不具合が出る場合はクルマ全体にガタがきている場合が多い。あちこちが故障するクルマは、そろそろ寿命が近づいていると考えてもよさそうだ。
●燃費の悪化も危険な兆候
以前より燃費が悪くなってきたら、これもまた限界が近い可能性がある。燃費の悪化にはエンジンの劣化をはじめ、さまざまな要因が考えられる。トランスミッションが不調で駆動効率が低下していたり、燃料制御がうまくいってなかったりなど。最近のクルマは燃料系の制御が電子式のものが多く、こちらの不調も考えられる。
深刻なのは、全体的に少しずつ調子が悪くなった結果の燃費低下だった場合。こうなったらいよいよ買い替え時かもしれない。
●乗り心地が悪くなってませんか?
サスペンションスプリングなどが経年劣化によって“ヘタって”きた、もしくはサスペンションに使われるラバー製パーツが劣化して硬くなったサインは乗り心地の悪化となって表れる。
厄介なのはこうした劣化が徐々に進行することで、日常的に乗っているオーナーはこの変化に気づきにくい。「以前よりも切り返しでの応答が遅れている」「段差の乗り越えで跳ねるようになった」などと明らかに感じられたら、それもまた劣化=寿命の兆候と言えるだろう。
●異音の発生も劣化の印
走行中にクルマのどこかから異音がするようになったら注意したい。故障によって異音が発生しているのはある意味安心。不具合箇所を直して音がしなくなれば問題は解決している。
しかし、ボディのきしみ音や走行中の風切り音が徐々に増えているのは、やはり劣化によってボディの細部にガタが出てきたり、各部のゴムが劣化していたりする可能性が高い。たまにはカーオーディオをオフにして、クルマから出る音に注意してみよう。もしかすると寿命の兆候が音になって現れているかもしれない。
大切に乗っていたクルマでも、やがて寿命はやってくる。この寿命を延ばすも縮めるも、すべてオーナーであるアナタの気配り次第。クルマを安全かつ長く乗りたいなら、今回紹介したポイントを心にとめておいてほしい。
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コメント
コメントの使い方最初の写真ですフォークリフトに載せられて、さもこれからスクラップと言わんばかりの車が、俺が今乗ってる車とカラー含め全く同じフォレスターなので、なんか悲しくなった。
そして家族が93年式E100型カローラに乗ってるが、昨年当て逃げ被害にあって左フロント側面の外装をトヨタに頼んだら、古い車だから時間かかるかと思っていたけど2週間くらいで届いて驚いた。
入院する頻度が増えてきたらそろそろ考えた方がいいね。
買い換えるタイミングも大事だと思うよ。
イメージだと長く乗れそうな欧州でも、メーカー側は部品無いからどんどん次買ってください、と割り切っている所が多いです。
国内でその割り切りが節操ないのはホンダで、大手比較で大幅に既存部品の生産年数が少ないだけじゃなく、ヘリテージ系も金にならないからやりませんとキッパリ。
確かに安全性だけなら次々新しい車に替えた方がいいのでしょうが、環境負荷やもったいない精神が叫ばれている近年、寂しい気持ちがあります