■これぞ!! って特徴がないのがイイ!? ノア/ヴォクシーの売れるワケが特殊すぎ
セレナと言えば、e-POWERとプロパイロットが代名詞だ。先進技術を数多く盛り込み、近未来感を味わえるクルマに仕上がっている。ステップワゴンは低床であることが強みであり、この技術を生かした走行性能の高さが際立つ。低い重心から生み出される安心感は、ステップワゴンならではだ。
では、ノア/ヴォクシーの特徴とは何か。ヴォクシーに関してはギラついたエクステリアが特徴と言えば特徴だが、ここが強みと言える部分がとても少ない。
e-POWERの代わりになるのはトヨタが得意としてきたハイブリッド技術、プロパイロットとまではいかないが、トヨタセーフティセンスという安全装備も装着されている。ただ、これらがノア/ヴォクシーの特徴と言えるまで、突出した技術ではない(ように感じる)のだ。
クルマ選びでは、時に突出した特徴が邪魔になることがある。特にファミリーカーでは、そつなく丸く仕上がっている方が、好意的に受け入れられることが多い。
先駆者ではない、強い個性も無い。これこそノア/ヴォクシーが愛される理由となっているのではないだろうか。
■家庭内決裁者の意見がデカい!? 非クルマ好きに刺さるのが最大の理由か?
販売現場にいると、ミニバンというクルマの特異性に気づく。セダン・ステーションワゴン・SUVなどと大きく違うのは、購入の決定権者=ドライバーではないことが多い点だ。
一般的には、お父さんが運転することの多いクルマであれば、購入の最終決断をするのはお父さんだ。「このクルマに乗りたいけど、みんなはどう?」みたいな会話が生まれ、家族の同意を受けた上で、購入車種が決まる。
しかし、ミドルサイズミニバンに関しては、運転する人よりも同乗する人の意見が強く反映されるのだ。具体的には母と子。この2者が積極的に車種選びをし、両者が納得すれば運転者の意見は後回しにクルマが決まっていく。
クルマが好きなお父さんは、走りの良いステップワゴンやプロパイロットを体感できるセレナを第一希望にしているのだが、お母さんはプレーンなノア、子どもは一目見てカッコいいと反応するヴォクシーに興味を持つ。
するとお父さんの意見は蚊帳の外となり、ノア/ヴォクシーのどちらかに決まってしまうのだ。このような商談風景を、筆者は幾度も見てきた。
ノア/ヴォクシーが持つ、最も大きな強みは、あえて「普通」に仕上げたことだろう。前述した特徴の無さともリンクするが、こだわってこのクルマを選びましたという嫌味感が少ない。
クルマを知らないユーザーにこそ、スマートで選びやすいクルマの受けがいい。先輩たちが個性を伸ばしていく中、特にノアは個性を隠しながら全体的な底上げに徹してきた。
結果として、どんな人からも支持を集め、先輩たちを追い抜く存在となったのだ。
【画像ギャラリー】嗚呼、ミニバンの選択権を持つのはお父さんにあらず!! 家族を味方につけたノア/ヴォクの勝利は必然!?(12枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方なんかけなしてます?そんなにトヨタはダメですか?
他にない先進機能とかあるんだけどなー。