ミニキャブミーブ進化せず再販てマジか!! スペーシアベース等ライバルに立ち向かう武器はある?

■連続使用すると5時間で電欠に……車中泊するならポータブル電源を

WLTCモードでの一充電航続距離はバッテリー容量の都合で133kmとかなり短い。車中泊で電気を使っていると翌朝に立ち往生する可能性も……
WLTCモードでの一充電航続距離はバッテリー容量の都合で133kmとかなり短い。車中泊で電気を使っていると翌朝に立ち往生する可能性も……

 しかも、ミニキャブミーブは販売再開に際して、横滑り防止装置の新採用などブラッシュアップを果たしているが、肝心のバッテリーには変化がない。総電力量は16kWhで、WLTCモードでの一充電航続距離は133kmとなっている。

 16kWhという電力量から計算すると、仮に満充電状態からスタートしたとして、1500Wで連続使用すると5時間程度しかもたないことになる。つまり一晩中、電気を使ってしまうとミニキャブミーブ自体が電欠して、そこから動けなくなってしまう。

 そもそも航続距離が133kmと非常に短いため、道中で急速充電を繰り返したとしてもキャンプや車中泊の目的地に到着したときに満充電状態ということは考えづらい。もし、高価な外部給電装置を持参したとしても、そのコストと手間に見合うだけの電気を利用することは難しいといえる。

 はっきり言って、ミニキャブミーブで車中泊をするのであれば、駆動用バッテリーから電気を取り出しことを考えるよりも、ポータブル電源を持っていき、そこに家電をつないで利用するほうが現実的だ。

 また、先述したように急速充電ポートにつなぐ給電装置は、車外で電気製品を使うことを前提としている。たとえば、車内で睡眠する際に電気毛布で暖を取ることを考えているのであれば、配線を通すために窓を開けたりしなくてはいけないため、かえって寒くなってしまうだろう。

 まして軽バンでの車中泊やキャンプでは、どれだけ効率的にラゲッジスペースを利用するかが重要となる。巨大な外部給電装置に比べればコンパクトなポータブル電源のほうが、邪魔にならないことは間違いない。

■スペアタイヤの設置位置に注目!! ラゲッジスペースが犠牲に

スペアタイヤの搭載位置はラゲッジスペースの右側。タイヤ幅のぶんラゲッジスペース幅は犠牲となる。逆に考えると、趣味としての利用を考慮していない硬派な商用車ということもできる
スペアタイヤの搭載位置はラゲッジスペースの右側。タイヤ幅のぶんラゲッジスペース幅は犠牲となる。逆に考えると、趣味としての利用を考慮していない硬派な商用車ということもできる

 電源の話とは関係なくなるが、車内スペースという点でいえばミニキャブミーブで気になるのはスペアタイヤの搭載だ。通常、1BOXタイプの軽バンはスペアタイヤを床下に積んでいるが、ミニキャブミーブでは巨大な駆動用バッテリーに追い出されてしまい、スペアタイヤがラゲッジ壁面に置かれている。

保安基準的にスペアタイヤを降ろしてしまうのはNG。つまり、タイヤのぶんだけラゲッジスペースの横幅が狭くなってしまう。これは軽バンの車中泊仕様を作り込む上では致命的といえる欠点だ。

■ミニキャブミーブは車中泊に向かない……軽バンとして使うのが最適か!?

 というわけで、現時点でのミニキャブミーブのスペックからすると、EVのアドバンテージを活かした車中泊仕様・キャンピングカーとして仕上げていくには、絶対的なバッテリー総電力量が少なすぎるのが課題といえる。航続距離、レジャーシーンで利用できる電力のいずれにおいても物足りない。

 せめて、室内側にAC100Vのコンセントが標準装備されていれば、近距離ユースを前提として景色のいいところで事務作業をするといったワーケーション的な使い方もあり得るかもしれないが、V2Lに外部給電装置を利用するという前提では、そうした利用シーンでも使い勝手がいいとは言えない。

 残念ながら、ミニキャブミーブに関しては、近距離ユースに特化したゼロエミッションのデリバリー事業用と捉えるべきだ。一般向けの販売が再開したといっても、パーソナルユースとして軽バンライフを楽しもうというユーザーが選ぶ相棒としては、かなり難易度が高いといえそうだ。

【画像ギャラリー】非EVなのに電源が!? 車中泊に超おすすめの軽バンたちがコレ(16枚)画像ギャラリー

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