かつてはエアコンやラジオすら装備されていなかったクルマも、今やどちらも当たり前の機能に。ルームミラーですらデジタル化が進んでいるが、ことにワイパーはこの100年ほとんど姿が変わっていない!!
一時は超音波などを駆使したモノも市販化されるウワサがあったものの、ご存じの通りまだまだアレだ。パワートレインなど刻々と進化しているクルマだが、ワイパーは今の姿が最終形なのか!?
文:国沢光宏/写真:Adobestock(トップ画像=Ewald Fröch@AdobeStock)、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】一方ミラーは激変!! 100年で様変わりしたクルマの鏡(5枚)画像ギャラリー小型機はワイパーなし!? 最前線は飛行機だった!!
クルマの機能&装備の中でウソ偽り、そして誇張無く「100年間進化していない!」のがワイパーと12Vの鉛バッテリーと言われる。アメリカを縦断する『グレートレース』に50年前のスバル360で出場した際、100年前のクルマ達も全て今と全く同じ形状のワイパーが付いていたことに改めて気付いた。古今東西、現在使われているワイパーはこれ以上進化しないのだろうか?
まず注目したのが「他の乗り物」で雨に遭遇した時はどうしているか、だ。最も進んだ技術を投入しているだろう旅客機を見ると興味深いことにワイパー付いてます!
効果あるんだろうか、と調べてみたら、基本的にタキシング中(地上移動)に使うそうな。撥水加工してあるため速度上がってくると勝手に飛んでいくという。
しかし! 小型機を見たらワイパー無し! どうなっているかと調べてると、単発機はフロントガラスの前にプロペラ付いていて撥水加工すればすっ飛ぶ。双発機だとエンジンで作った高圧の空気(ブリードエア)ですっ飛ばす。速度域の高い航空機は撥水加工でOKということらしい。
クルマも同じ高い性能持つ撥水ケミカル使うと、100km/h巡航時はワイパー不要。100年間で大きく進化しかもしれない。
水しぶきの嵐の船舶は旋回窓が大活躍! だがクルマには使えず……
船舶はどうか? あまり知られていないことながら、自動車以上に深刻。ウインドスクリーンに付くのが水だけならワイパーで拭えばいい。けれど船首から上がった海水をかぶると、もう大変。天気良くて間歇ワイパー状態にすると乾いて塩だらけになってしまう。クルマでも融雪剤を撒いた道を走ると先行車が巻き上げた水で真っ白になる。絶えず水を掛けないとダメ。
ということから「旋回窓」というのを使う。文字通り窓ガラスがグルグル回り、水を吹き飛ばす。中央にモーターが付いており2千回転くらいで回すと水シブキを受けても良好な視界をキープ出来るのだった。
機関車など「働く鉄道車両」も旋回窓は使われてます。ただ視界が限られてしまうことと、デザイン的に相当厳しい。クルマに旋回窓を採用するのは難しいと思う。
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