全長15m!! そして4軸!! オキテ破りの2階建てバス「メガドリーム号」は連日大盛況の運行だった!!

全長15m!! そして4軸!! オキテ破りの2階建てバス「メガドリーム号」は連日大盛況の運行だった!!

 ネオプラン社のメガライナーは全長約15m!! しかも2階建バスだった。乗車定員も最大級であり、都心〜筑波を結ぶ「つくば号」がデビュー路線であった。

 この「つくば号」は終日満席で東京駅では続行便まで大忙しだった。のちに鉄道開業によってひと段落し、次なる路線として関東〜関西の夜行便「メガドリーム号」としてデビューした。

●メガドリーム 大阪〜東京
 西日本ジェイアールバス/ジェイアールバス関東
 乗車・撮影日2006年6月

(記事の内容は、2021年5月現在のものです)
執筆・写真/石川正臣
※2021年5月発売《バスマガジンvol.107》『思い出の長距離バス』より

【画像ギャラリー】全長15m!! さらに2階建て!! おまけに4軸!? 規格外サイズが印象に残る長距離バス・メガドリーム号:編(6枚)画像ギャラリー

■開業日の昼の披露目式ではこの規格外のバスは大注目!!

西日本ジェイアールバスの車両。「MEGA」のロゴが入ったカラフルなデザインだ
西日本ジェイアールバスの車両。「MEGA」のロゴが入ったカラフルなデザインだ

 東京では「つくば号」でおなじみだったが、大阪側では初お目見えとして開業日昼、大阪駅でお披露目会が行われた。

 近畿運輸局長、そして各関係者からの挨拶では、全長15メートル、定員は約1.5倍であること、そして狭いターミナルに対して大量輸送に適し、排出ガス規制にも対応しているといった、将来的にも期待が持てる話が紹介された。

 所長から乗務員、社長から乗客代表への花束贈呈、そしていよいよ乗車開始だ。

 報道陣に見送られゆっくりと走り出す。このお披露目走行では、大阪・キタから南下して大阪南部を走行し、2階席から見慣れた大阪を新たな視線で眺めた。比較的前の席に乗車できたので最前部もよく見えた。

 USJターミナル、新しい西日本ジェイアールバス営業所の案内もハイアングルで拝見したのだった。

■夜には見守られて発車。道路がトラブルでも迂回不可能!?

なんと4軸のバス。タイヤの存在感がスゴイ
なんと4軸のバス。タイヤの存在感がスゴイ

 出発時刻が迫り、いよいよ営業運行の開始となった。ターミナルに再びあの巨大なバスがやって来ると、昼の報道陣に代わって会社帰りの熱心なサラリーマンが詰めかけていた。

 着車と同時に乗客もものすごい行列、夜行バス乗車では見たことのないほどの列ができて乗車開始。乗車完了するまでの時間は実に長かった。

 乗車が完了するとすぐ発車となり、車内も車外もにぎわいながら大阪を後にする。今度は昼とは違い最後部席だったので、前を見ると実に長いバスであることを実感した。

 高速入りして消灯し、眠りにつく。目が覚めて外を見れば、右車線からトラックどころか同じ夜行バスも追い抜いていく。時計を見るとまだ真夜中。人数に関係なく乗客の眠りに慎重な走行。

 何度か目が覚めてしまうが、考えてみれば夜行用の座席ではない。唯一トイレへ行く以外は狭い座席におとなしく座っているしかないのだ。

相手会社となるジェイアールバス関東は、伝統的なデザインを踏襲
相手会社となるジェイアールバス関東は、伝統的なデザインを踏襲

 ようやく外が明るくなってきて、車内放送も流れる。発車時から何度か案内あったが、今のところ順調だけど道路事情によっては、もし事故などの発生で通行止めになっても迂回不可能なので開通まで待機するという内容だった。これも規格外の車両ならではの事情というわけだ。

 さいわいなことにそんな心配もなく、高速を降りて東京都内へと入り、東京駅に無事到着した。長い車体は狭いターミナルに停車させるのも大仕事。大阪では乗車に時間がかかっただけあって降車も時間かかり、次々と到着する夜行便のためにも、係員は大急ぎでさばいていた。

 乗り心地に関しても、お世辞にもまた乗りたいと思う夜行バスではなかった。しかし多くの関係者たちが苦労しただけあり、10年近くもの歳月かけて乗せた人たちの数を考えると、大量輸送に貢献し、バスの歴史の大切な1ページとなったことは実感した。

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