平成30年間、それぞれの年別に登場した国産車をピックアップ。ベストカーにおけるその年ごとの「これぞ1番!」というベストモデルを選出してきたこの企画。いよいよ最後、2009年〜2018年編である。
30年を10年ごとに区切り眺めてきて個人的に目立ったのは、スズキの“躍進”だ。平成元年から10年、11年から20年にかけて、スズキ車がベストカーによって選ばれたのは1台ずつだったが(平成5年のワゴンRと16年のスイフト)、今回の21年から30年にかけては実に4台が選出されている。
2011年のスイフトスポーツの項でも述べられているが、「趣味と実用(とそしてやはり価格だろうか)を高い次元で両立できるクルマ」が、ユーザーの価値判断の大きな主流のひとつとなったことを証明しているのかもしれない。
〈こちらもご覧ください〉
●1989年〜1998年編はこちら。
●1999年〜2008年編はこちら。
※本稿は2018年11月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2018年12月10日号
平成21年(2009年)…トヨタ プリウス(3代目)
[この年の主なトピック] オバマ大統領が就任、上原浩治投手がMLBオリオールズに入団、映画「おくりびと」が米アカデミー賞外国語映画賞を受賞、野球日本代表がWBC2連覇、GM破綻、新型インフルエンザ、民主党政権が発足、スマトラ沖地震、超円高・1ドル=84円台に、トヨタがF1を撤退、スズキ・VWが包括提携に合意、リスボン条約発効など
室内は広いし、燃費は言うまでもなく最高だし、ファミリーカーとしては歴代最高の出来だと個人的に思っているのが、この3代目プリウス。エコカー減税制度も相まって、かなりの数が売れた。ドレスアップパーツも豊富。
●次点…レクサスLFA
【ちなみにこの年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは?】 トヨタプリウス(2009-2010)
平成22年(2010年)…ホンダ CR‒Z
[この年の主なトピック] 中国各地で反日デモ、アテネ経済危機、チリ北部サンホセ鉱山で作業員が生き埋め・救出、北朝鮮が韓国・延坪島を砲撃、米パデュー大学特別教授・根岸英一さんと北海道大学名誉教授・鈴木章さんがノーベル化学賞を受賞、「はやぶさ」帰還、超円高・1ドル=80円台に、W杯・南アフリカ大会開催、高速道路無料化の社会実験開始、バンクーバー五輪開催、ハイチ地震など
今では電動化されたスポーツカーも珍しくないが、CR-Zは環境性能を両立したハイブリッドスポーツカーの先駆けとして8年も前に登場した。生産終了せずに、最新の2モーター式を積んでほしかった。
●次点…リーフ
【ちなみにこの年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは?】 ホンダCR-Z(2010-2011)
平成23年(2011年)…スズキ スイフトスポーツ(3代目)
[この年の主なトピック] 東日本大震災、東京電力・福島第一原子力発電所事故、計画停電、株価の年末終値が8455円35銭に、北朝鮮の金正日総書記が死去、世界人口が70億人を突破、サッカー女子W杯で日本代表が優勝、エジプト情勢・ムバラク大統領が辞任、新燃岳噴火など
手頃な価格で走りが楽しめるスイスポのようなクルマこそ、日本車の真骨頂だと思う。この3代目(先代)は楽しさに加えて上質感も身に付けた。趣味と実用を1台でまかなえる、とても賢いクルマでもある。
●次点…ミライース
【ちなみにこの年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは?】 日産リーフ(2011-2012)
平成24年(2012年)…マツダ CX‒5
[この年の主なトピック] 第2次安倍内閣が発足、京都大学・山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞、オスプレイ配備問題、ロンドン五輪開催など
フルSKYACTIV搭載の第1弾として、現在のマツダのブランド力を向上させる礎になったのがこれ。現行型は進化しているものの、言わば初代のスキンチェンジ版に近く、マツダ躍進はこのモデルなくしてはなかったはず。
●次点…トヨタ86
【ちなみにこの年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは?】 マツダCX-5(2012-2013)
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