テリー伊藤大感激!!! 胸ときめいたシビックよ! 今こそ復活の時だ!! 誕生50周年歴代モデル一気乗り試乗会

■走りは文句なし、BMWかと錯覚した!/最新の11代目シビックe:HEV(398万400円)

最新の11代目シビックe:HEV(398万400円)。394万400円という価格を聞いて、「それは高い!」と思ったが、乗ったあとはそう思わなくなった
最新の11代目シビックe:HEV(398万400円)。394万400円という価格を聞いて、「それは高い!」と思ったが、乗ったあとはそう思わなくなった

 最新の11代目はスタイリングがいい。私は4ドアハッチバックという言葉の響きが好きだ。シビックがハッチバックというスタイルを50年かけて磨いてきたというなら、100%納得できる。

 日本では人気のないジャンルだが、クーペとワゴンのいいとこどりで、セダンやステーションワゴンほど全長は大きくないから運転しやすいし、荷物がセダンよりもたくさん載せられて、しかも全高が低いからかっこいい。

 昨年1.5Lのガソリンターボに乗って、デザインといい、走りといい、好印象を持った。「トヨタに作れないクルマ」という価値観を感じたのがその理由だが、e:HEVに乗ってますますその印象を強くした。

走りは言うことなし。燃費も20km/Lを超えるというからカンペキではないでしょうか!
走りは言うことなし。燃費も20km/Lを超えるというからカンペキではないでしょうか!

 ハイブリッドというと燃費のよさが第1の性能とされることが多いが、シビックe:HEVは電気を感じさせない走りだ。ハイブリッドなのに、1.5Lターボ以上の伸びやかな加速を見せ、音も刺激的だ。

 トヨタのハイブリッドとは明らかに違い、電気の力をエンジンの力にプラスしている感覚だ。「ハイブリッドだからといって我慢するのやめた!」と主張しているようだ。

 さらにSPORTモードにすると、一瞬BMWかと思うような加速フィールを感じさせ「HEY! HEY!」と思わず叫んでしまった。ベストカー編集部によれば、こんなに楽しいのに20km/Lオーバーの燃費というから驚いた。

 青春を取り戻しに参加したシビック試乗会だったが、シビックe:HEVに乗っていた時は間違いなく50年若返っていた。新型タイプRに乗る日が待ち遠しい。私は幸せな気持ちで、家路についた。

■タイプRは品のよさがいい/11代目シビックタイプR(499万7300円)

音がいい新型タイプR。デモンストレーション走行にも食いいるようにスマホで動画を撮った
音がいい新型タイプR。デモンストレーション走行にも食いいるようにスマホで動画を撮った

 私は運転がうまくないのでカリカリのスポーツモデルがどちらかといえば苦手だ。しかし、シビックタイプRと新型Zは別格だ。

 70代になると最後のクルマとしてZを手に入れたくなる気持ちはよくわかる。一度はZオーナーになりたかった夢を持っているのだろう。話がそれた。私がタイプRを評価するのは、おとなのスポーツカーの臭いがするからだ。

 私の勝手な解釈だが、例えばインプレッサやランエボは、オレオレ感が強く、北関東のガッツある人々のクルマなのに対し、タイプRは南関東の人々のやや控えめな嗜好に合っている気がする。それはハッチバックをベースにすることや、やりすぎでないエクステリアやインテリアということになるかもしれない。

 だからタイプRが出るたびに私は胸がときめき、思わずスマホで動画を撮りたくなるのだ。試乗はできず、隙を見てシートに座ってみたが、コックピットの雰囲気は相変わらず品があってよかった。499万7300円というテレビショッピングでいうところの絶妙な価格もあって、大いに気持ちが揺さぶられた。

■伝説の開発者・伊藤博之さんに聞いた「クルマの作り方」

伊藤さんが責任者を務めたワンダーシビックの前で話が盛り上がる。私が買ったのもこの紺色だ
伊藤さんが責任者を務めたワンダーシビックの前で話が盛り上がる。私が買ったのもこの紺色だ

 今回の一気乗りにはスペシャルゲストとして歴代の開発責任者が招かれていて3代目のワンダーシビック、5代目のスポーツシビックの開発秘話を聞くことができた。なかでも私が実際に購入した3代目のワンダーシビックの開発責任者伊藤博之さんの話が面白かった。

「お金は大事だが、お金でいいクルマが作れるわけじゃない。お客がいいと言ってくれるクルマを作るために、お金を惜しんじゃいけない。儲けようなんて考えちゃいけない」という哲学を、披露してくれたが、本田宗一郎とのやりとりのなかで学んだことだという。いいものを作る心構えとして共感します!

 また、5代目のスポーツシビックを開発する時に、さんざん悩んだという話も面白すぎた。初代シビックが登場して19年後に5代目は誕生するが、どう若者にアピールするかを考えた時に、もし自分が10年若かったらどうしたか? を問い直したという。

 その結果が躍動感あふれるサンバボディで、実際に伊藤さんはブラジルのリオにサンバを見に2週間出張しちゃうんだから凄い時代だな~。帰って来て毎晩サンバのビデオを見て考えていたら、奥さんから「あなた毎日、女のお尻ばっかり見て!」と叱られたという笑い話も教えてくれました。

5代目スポーツシビックのエクステリアデザインコンセプトはSAMBA BODY。このイラストでプレゼンしたのだから凄い! 
5代目スポーツシビックのエクステリアデザインコンセプトはSAMBA BODY。このイラストでプレゼンしたのだから凄い! 

 2週間サンバを見にブラジルに行くなんて私でも経験ありませんよ!

 もうひとつ大ヒットした初代CR-Vは当時の川本信彦社長に黙って開発していたという話も素晴らしい。伊藤さんが何かやっていると聞きつけて、川本さんがCR-Vを見に来て「これいくらで売るつもりなんだ?」と聞かれて「220万円で!」と答えたら「200万円にしろ!」と言われて、苦労してどうにか198万円で売りました。

「何か新しいアイデアを形にしようと思ったら、会社に黙ってやればいいんですよ、そのくらいの自信がなきゃいいものはできませんよ」と語っていたが、若い頃のワタシも同じように会社に黙っていろんなことをやっていたと思い出し、うれしくなりました。伊藤さんは侍です!

【画像ギャラリー】多様な進化を遂げた初代~11代目シビック50年の歴史をギャラリーでチェック!(33枚)画像ギャラリー

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