テリー伊藤大感激!!! 胸ときめいたシビックよ! 今こそ復活の時だ!! 誕生50周年歴代モデル一気乗り試乗会

■ホンダ初のステーションワゴン/2代目スーパーシビックシビックカントリー(95万円)

カントリーに搭載の1.5LのCVCCエンジンの走りはバタ臭い感じが残っていて当時のホンダ車らしい
カントリーに搭載の1.5LのCVCCエンジンの走りはバタ臭い感じが残っていて当時のホンダ車らしい

 2代目はキープコンセプトだが、ステーションワゴンモデル、シビックカントリーが1980年に追加された。当時はオイルショックから日本が立ち直り、若者がアメリカのファッションを楽しみ始めた頃。雑誌『ポパイ』の影響で大学生はUCLAのトレーナーを着たそんな時代。

 サイドの木目調プロテクションモールが特徴的なカントリーは、当時の自由な空気を表している。股間を熱くした若者が新島に押し寄せていたこの頃、サーフボードを積んだカントリーに乗っていたらさぞかしモテただろう。

荷室は大きく、ゆったりと横になれるからキャンプにも充分使える
荷室は大きく、ゆったりと横になれるからキャンプにも充分使える

 リアシートは4段階にリクライニングし、たためばしっかりとスペースが生まれ、機能性は高い。ユーティリティの高さは今でも通用するくらい。今回乗ったなかで、一番持って帰りたいモデルだった。ホンダにはステーションワゴン作りを思い出し、カントリーのようなモデルを再び作ってほしい。

■初のDOHCモデルが追加/3代目ワンダーシビックセダンSi(146万5000円)

ワンダーシビックのセダン。エンジンが存在を主張してくる走りは、2代目よりもずっと洗練された印象だ
ワンダーシビックのセダン。エンジンが存在を主張してくる走りは、2代目よりもずっと洗練された印象だ

 ホンダに憧れていた私が初めて買ったホンダ車がワンダーシビック、人気だった紺色の3ドア25iだった。

 低くスクエアなフォルムは新鮮で、室内が想像以上に広かった。この3代目からシビックがメジャーになった。今回乗ったのはセダンのSi、1.6LDOHCエンジン搭載のスポーツモデルだ。快進撃を続けるF1の影響もあって、このエンジンの評判がよく、若者がこぞってシビックやCR-Xを買い求めた。

 クルマがよくなったことは、2代目までと乗り比べてよくわかる。その一方で野性味は3代目からなくなっていくように思える。エンジンがよくなったぶん、走りに魅力が振られ、コンセプトのユニークさが薄れてきたように思った。

 海辺で育った快男児が都会に出てきて、方言をしゃべらなくなったような印象を受けてしまった。これは、シビックがメジャーになった証拠でもあるのだが……。

■豊かさを実感させるが個性は薄まった/4代目グランドシビックSi(143万円)

■ミニバンやSUVがライバルに/5代目スポーツシビックSiR II(162万円)

5代目スポーツシビックSiR II(162万円)。より洗練さを増し室内も走りもゆとりを感じさせ、グランドシビックというネーミングにも納得
5代目スポーツシビックSiR II(162万円)。より洗練さを増し室内も走りもゆとりを感じさせ、グランドシビックというネーミングにも納得
5代目のスポーツシビックは170psのVTEC搭載で、高回転までヒューンと回り、走りは今でもバリバリいけそうだ
5代目のスポーツシビックは170psのVTEC搭載で、高回転までヒューンと回り、走りは今でもバリバリいけそうだ

 4代目も5代目もいいクルマだ。走りが洗練され、居住性もよくなった。しかし、3ドアボディがミニバンやSUVの台頭の前に不利になっていく。それはそのままシビックの存在感が薄まっていくことになる。オデッセイやステップワゴン、CR-Vなどホンダ車はバリエーションを増やし、シビックを選ぶ一番の理由はスポーツ性能となる。

 だからSiやSiRといったスポーツグレードにばかり注目され、シビックの安くて広くて低燃費というベーシックな性能が忘れられていったように思う。

 今思えば、4代目にあったシビックシャトルやビークルをもっと本格的に作っておけば、SUVとしてのシビックの魅力が広がっていったかもしれない。

7代目スマートシビックは、ミニバンのようなスタイリングになり、3ドアがなくなった。3ドアがなくなった時点で、シビックの日本での立ち位置がなくなったように思う
7代目スマートシビックは、ミニバンのようなスタイリングになり、3ドアがなくなった。3ドアがなくなった時点で、シビックの日本での立ち位置がなくなったように思う

 6代目以降のシビックは、グローバル化によって日本人の嗜好とのずれが顕著になる。5ドアになったり、セダンだけになったり、3ナンバーになったりと苦労し、9代目はいったん日本での発売を断念することにもなる。

 いつの間にかシビックといえばタイプRと思われるようになってしまったことは残念だが、日本での販売を再開した10代目からはマスは狙わず、日常を大事にするおとなに、じっくり売ろうという姿勢になったのはいいと思う。

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