ランエボ伝説ここに極む……中古価格1000万オーバー!! しかもエボXじゃないってマジか

■曲がることに力を注いだランエボ第3世代

2001年1月に登場した三菱 ランサーエボリューションVII
2001年1月に登場した三菱 ランサーエボリューションVII

 2001年1月にランサーエボリューションVIIが登場。前年5月にベース車であるランサーセディアがフルモデルチェンジを行い、このモデルからランサーエボリューションは第3世代へと進化する。

 ランサーエボリューションVIIは、サスペンション取り付け部及びボディフレーム結合部の補強や、20ヶ所におよぶ専用リーンフォースメントの追加、溶接点の追加、ストラットタワーバーの採用などにより、従来車に対して1.5倍の曲げ剛性を確保し、操縦安定性を向上させた。

 4G63型エンジンはターボチャージャーの改良、インタークーラーの大型化、吸気系の配管取り回しを見直し、吸気抵抗を約20%低減。ノズルインタークーラースプレー(手動切り替え機構付)の採用などの改良を実施することで、最高出力280ps、最大トルク383Nmを実現している。

 駆動方式には、新開発のACD(アクティブセンターデフ)を採用。センターデフの差動制限を、従来のVCUに代えて電子制御油圧多板クラッチとすることにより、走行状況に応じた前後駆動力配分が可能になった。

 50:50のセンターデフの前後輪差動制限力をフリー状態から直結状態までコントロールし、操舵応答性と駆動性能を向上させるとともに、高次元で両立させている。

 ランサーエボリューションVIIIは2003年に登場。4G63型エンジンの最大トルクを392Nmに向上させると同時に、トランスミッションは6速MTを採用した。

 「走る」「曲がる」「止まる」の運動性能を飛躍的に向上させる三菱自動車独自のオールホイールコントロールシステム「ACD+AYC+スポーツABS」は、今回、新たに開発した「スーパーAYC」を採用することによって、さらに優れた運動性能を実現した。

 2004年2月には、ランサーエボリューションVIII MRが登場。販売目標台数は3,000台だった。

 ちなみにMRは「三菱レーシング」の頭文字の略で、三菱自動車の量産車として初のDOHCエンジンを搭載した初代『コルトギャランGTO』で初めて採用して以来、『ランサー』、『GTO』など、高性能スポーツカーのトップモデルに与えてきた伝統ある名称だ。

 ランサーエボリューションVIII MRは、国産の量産車では初となるアルミ製ルーフパネル、BILSTEIN社との共同開発によるショックアブソーバー、BBS社製の鍛造軽量アルミホイール(メーカーオプション)などを採用。

 4G63型エンジンは、高速域重視の出力特性としながら2Lクラストップレベルの最大トルク400Nmを実現。また、電子制御4WDシステム・ACD+スーパーAYC+スポーツABSの制御を細部にわたり改良し、ドライバーとクルマとの一体感を高めた、質感の高い卓越したドライビングプレジャーを追求した。

■名機4G63型エンジンの最終モデルが登場

2005年3月に登場した三菱 ランサーエボリューションIX
2005年3月に登場した三菱 ランサーエボリューションIX

 2005年に販売目標台数5,000台でランサーエボリューションIXが登場。伝統の4G63型2Lターボエンジンの吸気側に連続可変バルブタイミング機構(MIVEC)を採用したことで、高回転域における高い性能を確保しながら、燃費を向上させた。

 また、ターボチャージャーのコンプレッサーホイールの材質をアルミニウム合金からマグネシウム合金に変更することで、レスポンスもさらに向上させている。

 リアのスプリングを変更して車高をわずかに下げることで、リヤのスタビリティを向上させるとともに(GSR/GT)、スーパーAYCの効果をより有効に引き出し、操舵応答性も向上(GSR)させている。

 そして、第3世代ランサーエボリューションの集大成として、2006年8月に1,500台限定でランサーエボリューションIX MRが登場する。

 名機と呼ばれた4G63型2L直列4気筒ターボエンジンを搭載した最終モデルで、そのエンジンは、MIVEC(連続可変バルブタイミング)の最適化はじめ、ターボチャージャーのタービンホイール材質をインコネル(ニッケルクロム系合金)からチタンアルミ合金として、コンプレッサーホイール入口径を縮小させたことと合わせ、レスポンスを向上させている。

 サスペンションは、しなやかな特性をもつアイバッハ社製コイルスプリングをビルシュタイン製サスと組み合わせることで、減衰力を最適化することで、穏やかな挙動と優れた接地性を実現させている。

 サスペンションシステムの改良に合わせて、電子制御4WDシステムであるスーパーAYCの制御をよりスポーティな方向にチューニング。左右後輪の駆動力制御量を約10%増大させることで、違和感なく、オンロードにおける旋回性能をさらに向上させた。

 2007年に第4世代となるランサーエボリューションXが登場。これまでのモデルは限定生産だったが、このモデルからは台数に制約のないカタログモデルとなった。

 搭載するエンジンは4B11型2L直列4気筒ターボエンジンとなり、最高出力は280psから2008年に行われたマイナーチェンジで300psまで高められた。

 組み合わせられるトランスミッションは5速MTと6速DCTのツインクラッチSSTの2種類。駆動方式は4WDで、新開発の車両運動統合制御システム「S-AWC」が搭載された。

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