■ステップワゴンのアドバンテージ
では、新型ステップワゴンはノア/ヴォクシーに対して勝っている部分を挙げてみよう。
ハイブリッドモデルではエンジンとの組み合わせがノア/ヴォクシーが1.8リッターなのに対して、ステップワゴンは2リッターであるから、その分走行性では優れている。上級シフトによって質感、ハイクオリティ性ではアピール度は高いともいえる。
また室内スペースにおいてはノア&ヴォクシーよりも広く、より大きい室内スペースを求める人にはステップワゴンがおススメだ。
しかし、e-POWERやプロパイロット2.0という強力な武器を引っ提げて今後投入される新型セレナの販売が本格的になれば、ステップワゴンやノア/ヴォクシーにとってかなりの脅威になる可能性がある。
■最後に絶好調のトヨタ営業マン、新型セレナの予約受注が始まった日産営業マンに聞いてみた
最後に絶好調のノア&ヴォクシーを販売するトヨタ営業マン、まもなく新型セレナが発売予定の日産営業マンに、それぞれの立場から、3つ巴の販売状況についてリアルな販売現場の声を聞いてみた。
●証言:首都圏トヨタ店営業担当者
「新型ノア/ヴォクシーは従来コンセプトを進化させながら、両モデルのコンセプト分けをより明確にしたのが成功の要因となっている。ハイブリッドは新型ステップワゴンハイブリッドにない4WD車の設定も販売の上乗せになっている。
姉妹車両モデルとも均等に売れているのは従来の専売店だったカローラ店はノア、ネッツ店はヴォクシーを売り、エスクワイアを扱っていたトヨタ店とトヨペット店はノアをメインに代替えしている傾向がある。
新型ステップワゴンハイブリッドは2リッターでノア/ヴォクシーハイブリッドは1.8リッターで走行性では負けているが、次期型ノア&ヴォクシーは2リッターになると聞いている」
●証言:首都圏日産店営業担当者
「現行セレナがステップワゴンに対して販売で負けなかったのはe-POWERの走行性の良さと末期モデルのため好条件で売れ、価格競争力が高かったためだ。
新型セレナは未来感のあるデザインと新しいe-POWERやプロパイロット2.0といった先進装備があるので、発売が本格的になればステップワゴンに負けない自信がある」
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新型ステップワゴンの販売台数の変動についてわかったことは、一概に販売台数の多寡で、人気を測れない状況になっていること。実際、ホンダ関係者に聞くと、ステップワゴンの受注台数は月販目標計画台数5000台を大きく上回っているそうだ。
もちろん、ステップワゴンが完敗という状況ではない。ノア&ヴォクシー、ステップワゴン、セレナの三つ巴決戦は、セレナの販売が本格化する2023年春以降に態勢が判明しているのではないだろうか?
ユーザー側にとっては、切磋琢磨していいクルマを作ってくれれば、選び甲斐があるというもの。各社が半導体不足や生産流通体制について最善の努力をしている状況は理解をするが、納期も早く改善してほしいものだ。
【画像ギャラリー】ステップワゴンとノア/ヴォクシーの販売競争はセレナ登場後に本格化!?(15枚)画像ギャラリー