クルマ酔いは「動揺病」という病気だった!! 薬剤師が語るクルマ酔いのメカニズムと酔い止め薬の役割

■車内の不快な臭いもクルマ酔いの原因だった

 「第二のストレスが車内環境です。車内はある意味密室で、そのままにしておくと空気が淀んでくるため適度な換気が大切です。エアコンを内気循環で使い続けたら具合が悪くなるのもこれが原因と言えます。

 あと臭い。強い芳香剤や食べ物の臭いなど、ドライバーは気にならなくても同乗者にとっては不快な臭いとなり、乗り物酔いの要因となります。適度に車内をキレイにしておくのはもちろんのこと、臭いの強い芳香剤は避けた方が無難です」

 取材でいろいろなクルマに乗る機会があるが、「クサッ」と叫びたくなるような独特な臭いを漂わせているクルマは多い。芳香剤の好みは人それぞれだが、少し運転するだけでも不快なのは間違いない。長時間乗っていたらかなりのストレスになるだろう。

■ストレスが吐き気につながるメカニズムと酔い止め薬の関係

この小さな一錠の中に様々な成分が入っている。鍵を握るのは抗ヒスタミン(siro46@AdobeStock)
この小さな一錠の中に様々な成分が入っている。鍵を握るのは抗ヒスタミン(siro46@AdobeStock)

 「車内でストレスを感じて自律神経が乱れると、嘔吐中枢という吐き気を起こすスイッチに情報が伝達されてしまうのです。その情報伝達に使われる物質がヒスタミン。逆に言えば、嘔吐中枢とヒスタミンが結合しなければ、吐き気を抑えることができます。これが酔い止め薬の仕事ということになります。

 一般的に売られている酔い止め薬には、抗ヒスタミンという成分が大抵入っています。これがヒスタミンに似た構造式をしているので、嘔吐中枢のスイッチ部分に蓋をすることができ、未然にヒスタミンの経路を遮断できるという仕組みになります。これが酔い止め薬の一番重要な作用です。

 次に自律神経の乱れを抑え、酔いの症状を予防するスコポラミンという成分があります。乗物酔いの症状を緩和する抗ヒスタミン薬成分、自律神経の乱れに作用するスコポラミン。大きな酔い止め効果としては基本的にこの2つの成分が主流となっています。

 また、薬を服用した際、眠気や口の渇きなど、本来目的としていない効果が出てしまうことを副作用と言います。薬を飲む際にあらかじめ確認しておく必要があります」

 吐き気を催すスイッチをカバーする抗ヒスタミンと、自律神経の乱れをおさえるのがスコポラミン。そのダブル効果で吐き気を予防するのが一般的な酔い止め薬ということだろう。

 クルマ酔いが発生する理由と吐き気を催すメカニズム、そして酔い止め薬の役割はわかっていただけただろうか? 乗車中に気持ち悪くなるのも嘔吐するにもれっきとした理由があり、偶然やたまたまというわけではない。

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