コンパクト本格クロスカントリーはやはりガソリン車で楽しみたい スズキ「ジムニー」(155万円~)
数ある日本の軽自動車のなかでも、唯一、クロスカントリー性能を追求したモデルである、スズキ「ジムニー」。ボディのコンパクトさに加えて、シンプルなメカニズムと低価格という唯一無二の個性が光る、世界中にファンがいるモデルだ。
ジムニーは、高剛性のラダーフレームに副変速機付きのパートタイム式4WDと、リジッドアクスル式サスペンションを伝統的に採用している。現行型は2018年、20年ぶりのフルモデルチェンジで登場したが、現代的なアップデートはされているものの基本的なドライブトレーンに変更はない。
グローバルでは、特に欧州で人気の高いジムニーだが、ご存じのとおり、欧州でも2035年にガソリン車の販売が禁止となることが決まっている。日本と違い、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車なども禁止であるため、ジムニーを欧州で売るには、バッテリーEVとなる必要がある。もちろんバッテリーEVとなっても、ジムニーはジムニーだが、燃料さえあればどこまでも走れるガソリン車であることは、この手のクルマにとって魅力的。やはりジムニーはガソリン車で乗りたい。
クルマを走らせる楽しさを純粋に味わえる トヨタ「GR86」(279万円~)
トヨタとスバルの共同開発により、2012年に登場した、コンパクトなFRスポーツカー「86」(スバル版は「BRZ」)。ドライバーの感覚ひとつでいかようにも取り回せる「手の内感」や操る楽しさを体感できる、「直感ハンドリングFR」がコンセプトであり、これを実現するため、スバルの持つ水平対向エンジンを軸とした技術が活用されているのが特徴。ラリーやワンメイクレース、ジムカーナ、ダートトライアルなどの様々な参加型モータースポーツのベース車両として活躍し、スポーツ走行の楽しさを知るきっかけを多くの人に提供してきたモデルでもある。
現行型の「GR86」は2021年4月に登場。「軽量コンパクトかつ低重心なエンジン」という特長をそのままに、2.0Lから2.4Lに排気量をアップ。0-100km/h加速は7.4秒から6.3秒に。モータースポーツからのフィードバックを生かした空力アイテムや、軽量・高剛性ボディにより、走りの質も向上させている。
ミドルグレードだと300万円を超えてしまうが、エントリーグレードの「RC」であれば、279万9000円で手に入る。これをベースにいろいろと手を加えながら、純ガソリンモデルのピュアな走りを味わう、といった遊び方もよいのではないだろうか。できれば若い世代に、この純ガソリンモデルで味わっていただき、クルマを走らせる楽しさを知ってほしい。
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もちろん、電動化が進んでも走りの楽しさが損なわれないクルマは登場することだろう。とはいえ、純ガソリン車の加速感やダイレクト感、シンプルさというのはこの先味わうことのできない、もしくは貴重な体験になることは免れなくなると思われる。時代を先取りして、ハイブリッド車やバッテリーEVへと移行していくのももちろんいいと思うが、過ぎ去ろうとしている時代を名残惜しむように楽しむのも、大人のクルマの楽しみ方としてアリだと思う。「締めの一台」、あなたはどのモデルを選ぶ??
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