アルファードが王者を抜いた!! 地味だけど切磋琢磨した名車勝負 5選

■GDIとハンドリングで名勝負!! ギャラン vs プリメーラ

1980年代、三菱はターボ戦略を積極的に推し進め、これに続いて4WDシステムを乗用車にも採用するようになった。

1987年10月、三菱はギャランをモデルチェンジし、6代目のE30系が登場する。そのフラッグシップがVR-4だ。

最大の特徴は「アクティブ4」と呼ぶ最先端のメカニズムを採用したことで、4輪アンチロックブレーキ(ABS)やフルタイム4WD、同位相4輪操舵の4WS、ストラットとダブルウイッシュボーンによる4輪独立懸架のサスペンションによって痛快な走りを実現している。

スポーティなセダンとして4WD技術も詰め込まれたギャラン。ラリーにも出場するなどそのポテンシャルは高かった

最強エンジンはパワフルな2Lの4G63型直列4気筒DOHC4バルブインタークーラーターボだ。

デザインもキュートだったギャランは日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝き、VR-4はラリーでも大暴れしている。

このギャランと違う手法でスポーティな走りを実現したのがプリメーラだ。ヨーロッパ市場を見据えて開発した上質なFF方式のファミリーカーで、1990年にベールを脱いでいる。

最大の自慢は、洗練度の高いハンドリングだった。意のままの気持ちいい走りを存分に味わうことができる。

初代プリメーラはそのハンドリングの高さで大きな評価を得た。コンパクトながら実用性も兼ね備えたスポーティセダンとしてギャランの対抗馬としては充分な性能だった

1.8Lモデルでも冴えた走りだったが、スポーティ度が群を抜いて高かったのは2LのSR20DE型DOHCエンジンを積む2.0Tmだ。

セダンとは思えない軽やかなハンドリングで、引き締まった乗り味も魅力だった。

ギャランは次の世代になると3ナンバーのワイドボディを採用し、パワーユニットもV型6気筒としている。

そして1996年秋に再びモデルチェンジし、このときにギャランのワゴン版となるレグナムを設定した。スタイリッシュなエクステリアとともに注目を集めたのがエンジンだ。

時代に先駆けてクリーン化と低燃費のために筒内直接噴射システム、直噴のGDIエンジンを搭載したのである。トランスミッションはファジー制御やスポーツモードを備えた電子制御4速ATだ。

市販車では世界初のガソリン直噴エンジン「GDI」で一気にライバルとの差を広げたように思われたギャランとレグナム。GDIのその後は言うまでもなく……

フルタイム4WDは左右駆動力移動システムのAYCや4輪制動力制御システムのASCなどを採用し、意のままの走りを楽しめた。

プリメーラも1995年秋に2代目にバトンを託している。正常進化の形を取り、派手さはなかったが、気持ちいいハンドリングは2代目も健在だ。

とくにFFの2.0Teは運転するのが楽しいスポーツセダンだった。プリメーラは3代目を最後に途切れたが、ギャランと同様に運転して楽しいセダンである。

FFと4WDの違いがあるが、両車はライバル関係にあり、切磋琢磨しながら成長していった。

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