クルマを売るなら、すこしでも高く売りたい。あるいは中古車を買うなら、なるべくキズモノではない、キレイなクルマを買いたい、というのは誰しもの願いだろう。
そんな時に気になるのが「修復歴」という言葉。たとえばバンパーをちょっとこすって修理しただけでも、査定に大きく響くような「修復歴」となるのか? あるいは気に入った中古車が見つかっても、「修復歴」がありますねとなったら、やっぱり買うのは控えた方がいいんだろうか?
修復歴や査定について、中古自動車査定士の技能検定試験や研修を行っているJAAI(日本自動車査定協会・東京都港区)に取材してみた。
※本稿は2018年12月のものです
文:ベストカー編集部/写真:Adobestock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年1月26日号
■ポイントは「自動車の骨格等」に欠陥が生じているかどうか
結論から言うと、「修復歴」には法的な定義はないのだという。JAAIが定義した「交通事故やその他災害により、自動車の骨格等に欠陥が生じたもの、またはその修復歴があるもの」が一般的なのだそうだ。
「骨格」とは、たとえばハッチバック車の場合、フレーム(サイドメンバー)、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフ、フロア、トランクフロアの8つ。つまり、バンパーやボディアウターパネルの修理などでは、一般的には「修復歴あり」とはならないのだという。
ちなみに、中古車の査定に関わる国家資格と呼べるものはないため、JAAIなどの査定士資格を持ってなくても中古車の査定は行える、という。
■「もらい事故」の場合はどうなる?
自分で起こした事故についてのキズはしかたがないとして、人からのもらい事故で修復歴がついた場合に、客観的な査定額を知るいい方法はないのか? 尋ねてみると、「事故減価額証明書」というものがあると教えてくれた。
事故に遭ったクルマを修理したあとJAAIに査定依頼を出せば、どのぐらい価値が下がったのか(減価額)について算出してくれるという。その証明書が下の「事故減価額証明書」だ。これを弁護士や裁判所に提出したり、加害者側の保険会社から提出を求められる場合もあるという。
査定は有料で、料金はクルマのサイズによって変わるが、軽や普通乗用車であれば大体1万円ぐらいでお釣りが来るようだ(ただし車両の状況や出張査定の有無などによっては別途料金がかかる)。詳しくはJAAIのホームページをチェックしてほしい。
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