■レクサス LF-LC GT “Vision Gran Turismo”(2015年3月18日発表)
当時RC FでスーパーGTを戦っていたレクサスが送り出したビジョン グランツーリスモ。RC Fの戦うエッセンスはそのままに、ラグジュアリークーペのコンセプトカーであるLF-LCをレースカーに仕立て上げた1台だ。
LF-LCは2012年のデトロイトショーで発表されたクルマだが、デザインを手がけた北米のCALTYは、ジェット機のアフターバーナーのようなテールランプなど、エモーショナルな表現を多数盛り込んだ。このビジョングランツーリスモはその官能的な表現にスパルタンさを上乗せしており、モータースポーツの躍動感を見事に表現したといえよう。
■ダイハツ コペン RJ ビジョン グランツーリスモ(2017年10月17日発表)
ダイハツは、日本人の暮らしを支えてきた軽自動車をテーマにビジョン グランツーリスモを開発してきた。素材となったのはダイハツきってのスポーツカー「コペン」だ。車名に付けられた「RJ」という欧文は「Racing Jacket」の略称で、レースでの勝利を見据えて身にまとった、鎧のような外観を指す。
実際その見た目は甲冑をまとった武士のようだ。大型のフロントアンダースポイラーとリアウイング、ディフューザーで武装し、オーバーフェンダーによって拡幅された全幅も強烈な迫力を生み出している。
排気量は660ccのままだが、ターボの過給効率を高めることで、149psまでパワーを高めている。車重も600kgまで落とされているので、大排気量スポーツカーとも互角に渡り合う実力を持つ。
■ホンダ スポーツ ビジョン グランツーリスモ(2017年11月9日発表)
「面白いからやる」というホンダの企業風土が生んだ、走りの楽しさとリアルさを追求したビジョングランツーリスモ。世界各地にあるデザイン拠点でコンペを行い、勝ち残ったモデルである。
ボディスタイルはミッドシップエンジンの2シータークーペ。ホンダのデザイン哲学である人間中心の考え方が、クルマの骨格を決定する人の乗せ方やエンジン、タイヤ配置といったパッケージデザインに具現化されている。カーボンを多用することで車重は899kgと軽く、DOHCの2LターボエンジンはVTEC化することで410psをたたき出す。
ホンダは2009年にS2000の生産を終え、2015年にS660を発表していたため、このビジョン グランツーリスモは新型S2000のティザーではないかとも噂された。いまでも市販してほしい1台である。
■スズキ ビジョン グランツーリスモ(2022年5月26日発表)
2022年5月に登場したばかりのビジョン グランツーリスモ。4輪と2輪双方を手がけるスズキはかつて両方のスポーツマインドを融合させた「GSX-R/4」というコンセプトカーを作ったが、その哲学をもう一度現代によみがえらせた1台だ。
エクステリアは、スズキを代表するスポーツモデル「スイフトスポーツ」の面影を、かつてのカプチーノのようなロングノーズシルエットと融合させたもの。モンスターバイクHAYABUSAの1.3Lエンジンをフロントに積み、フロント2基、リア1基のモーターと組み合わせて4輪を駆動する。
さらにこのクルマには戦闘力を高めたGr.3バージョンも存在する。電動モーターを廃止してFR駆動とする代わりに、HAYABUSAの4気筒エンジンを合体してV8とし、ツインターボ化した怪物モデルである。
いかがだったろうか。モーターショーなどで眺めているしかなかったコンセプトカーを、ゲーム内で自在に走り回れる存在へと一変させたビジョン グランツーリスモ。今後も魅力的なクルマが続々と発表されることを願いたい。
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