新型プリウスのCd値は公表されるのか? そして気になる燃費は?
そして時は流れ2022年、待望の新型5代目プリウスが発表された。今回のモデルチェンジは初代→2代目以来と言ってよいほど大幅なもので、5代目のコンセプトは「Hybrid Reborn」だった。
5代目プリウスを開発するにあたり、豊田章男社長からは「プリウスはもうタクシー専用でいいんじゃないか?」という提案があったという。しかし開発陣はあくまで乗用車として5代目プリウスを開発することにこだわり、その結果、まったく新しいクルマに生まれ変わった。
完全新規開発とはいえ、5代目プリウスには歴代モデルのイメージも継承されている。ただし全高は下げられてAピラーの角度も鋭いものとなり、さらには大径19インチタイヤの採用によって以前よりもスポーティ感を増している。
本原稿執筆時点で5代目プリウスの燃費性能やCd値は公表されていない。実はCd値に関しては4代目よりも高くなっているという話だ。それでも燃費性能は4代目を上回っているとのことで、ボディデザインの変更によってわずかに増した空気抵抗を他の部分で補っているようだ。
※編集部注
新型プリウスのプロトタイプ試乗会にて編集部員がトヨタの開発者に伺ったところ、新型プリウス(プロトタイプ)のCd値は先代型よりも高く、ボディフォルムによる純粋な空力特性で比べると先代プリウスのほうが上だとのこと。
ボディ形状による空力特性は「ボディトップ(車体の一番高い場所)の位置がどこにあるか」が大きく関係しており、「全高がどれだけ低いか」や「Aピラーがどれだけ寝ていて平べったいか」よりも、「ボディ前面に当たった風をどううまくボディ後方にスムーズに(渦を作らせずに)流すか」が重要となるそう。
先代プリウスは、ボディトップの位置が(新型よりも)ルーフ前方にあり、うまく空気を流す形状になっているそうです。「ではなぜ新型プリウスは(空力特性で考えると不利なのに)あんなにAピラーが寝ていて、あんなに全高を低くしたんですか」と聞いたところ、「だってそのほうがカッコいいじゃないですか」とのお返事。なんと! すげえ!! 超デザインファースト!!!! このズバッとした割り切りを、ベストカーWeb編集部はめちゃくちゃ評価いたします!!!!!
過去のモデルではひたすらCd値の削減に取り組んでできたプリウスだが、ここにきての転換は、今後のハイブリッド車の進むべき道を示しているとも考えられる。また、先にあげたようにクルマの空力性能はCd値のみで決まるものでもない。新たな思想で誕生した5代目プリウスの実力に注目していきたい。
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