大幅な燃費性能向上のカギはボディにあった? 「2代目プリウス」
2代目プリウスが登場したのが2003年。前作の成功にあぐらをかかず、2代目はその姿を大きく変えてきた。
4ドアセミノッチバックセダンだった初代に対して2代目は5ドアハッチバックスタイルを採用。ホイールベースは150mm延長となり、ボディ全長は135mm、全幅は30mm拡大された。
ひと回り大きくなったプリウスのボディスタイルには「トライアングルモノフォルム」の名称が与えられた。車体を横から見るとキャビンを頂点に3角形を形成するフォルムは当時としては斬新なもので、空力性能と居住性を高いレベルで両立させていた。
そんな2代目プリウスのCd値は0.26。空力性能面においても初代を大きく上回ることがこの数値からもわかる。このトライアングルモノフォルムがプリウスの象徴となり、現在に至るまで同車のイメージをかたち作っている。
2代目プリウスの燃費性能は10・15モードで35km/Lと、ここでも初代からの大幅な進化を見せている。
さらにCd値を削って効率アップ 「3代目プリウス」
2009年、2代目の正常進化版といった装いで3代目プリウスがデビューした。
ボディは先代のトライアングルフォルムを継承し、各部のブラッシュアップによってさらに空力性能を向上。Cd値は0.25と、わずかながらも2代目よりも少ない数値を達成した。
3代目のアピールポイントは「エアマネジメント」。デザインのテーマを「エアアイコン」に据えて、シルエットは先代をイメージさせるものの、ルーフピークの位置を後方に移動するとともに、フロントピラーを前に出すなどの変更が施されている。空力性能の向上と同時にバッテリーの小型化も成し遂げ、Cd値を下げながらも室内空間は従来型以上に余裕のあるものとなった。
空力、そして動力系の効率向上もあって燃費性能はさらにアップし、3代目の10・15モード燃費は38km/Lと、当時世界トップクラスの数値をマークした。
3代目プリウスが2代目のシルエットを継承したことにより、クルマ好きだけでなく、世間一般にもプリウスのイメージが浸透していくことになった。
攻めのモデルチェンジとフェイスリフトと 「4代目プリウス」
2代目から3代目へのモデルチェンジは正常進化だったプリウスだが、2015年登場の4代目では、トライアングルフォルムを維持しつつも、思いきったデザイン変更が行われた。
プラットフォームやサスペンションの変更、パワーユニットの進化などによって低重心化に成功。ただしボディ全高に関しては1490mmと、3代目と同じ数字となっている。
全高こそ同じだが、細部が見直されたことで空力性能もアップし、Cd値はシリーズ最小の0.24に抑えられた。燃費も40.8km/Lと、ついに大台の40km/Lを突破。この数字は10・15モードに変わって採用されるようになったJC08モードでのものだが、JC08は10・15モードより厳しめの数値となるので、4代目の燃費性能が大幅に向上しているのは間違いない。
性能面では向上を果たしたが、デザインは少々“やりすぎた”感があったようだ。アグレッシブな4代目の顔つきに関しては登場直後から賛否両論が巻き起こり、「歌舞伎顔」などと揶揄されることもあった。
トヨタでも否定的意見が多いことを考慮したのか、2018年のマイナーチェンジではフェイスリフトを実行し、4代目のフェイルはマイルドな印象を与えるものに変わった。なお、顔つきが変化しても全体的な空力性能はマイナーチェンジ前と同等だったようだ。
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