「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」
いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!
文/清水草一
写真/フォッケウルフ、トヨタ、ホンダ
■絶滅危惧種と化したセダンが褒められる時
もはや言うまでもないことだが、世の中、セダンが消滅寸前だ。わざわざセダンを買うなんて、よっぽど頭の固い高齢者かクルマ好きだけ。ドイツ御三家のセダンにかぎっては、大都市部のプチ富裕層を中心に広く好まれているが、日本におけるセダンの販売比率は、すでに5%程度にまで低下している。まさに絶滅危惧種だ。
ところが、ここまでセダンが減ったことで、逆にセダンの人気が上昇しているように感じる。動植物の世界では、絶滅危惧種は大切にされるが、クルマ界でも同じ現象が起きつつあるのだ!
私は現在、プジョー508セダン(中古車を車両本体299万円で購入)に乗っている。セダンと言っても実際は5ドアハッチバックだが、もはやそんな細かい区別は無意味なほど、セダン系はモデル数が減少している。めんどくさいので今回は、5ドアハッチバックも「セダン!」ということにさせてもらいたい。
で、そのプジョー508セダンが、妙に評判がいい。クルマ好きに「いいね!」と言われるのはもちろんだが、購入してからこれまでの約半年間に、2名の若い女子から「カッコいいですね」と言ってもらったのだ! おっさんが乗るセダンが若い女子にほめられたのである。それも2名から! 奇跡としか言いようがない。
うち1名に私は尋ねた。「どこがカッコいいの?」と。彼女は答えた。「私、セダンが好きなんです」。私は思わず「ええええ~~~~っ!」と叫んでしまった。すると彼女はこう畳みかけた。
「私の一番の憧れは、BMWのE32っていうセダンです」
E32? E30かE36の間違いでは? と思ってしまったが、E32とは2代目7シリーズのことだった。カーマニアの私も知らなかった。申し訳ない。
彼女はたまたま写真で見た2代目7シリーズのデザインに惹かれて、グーグルフォトで車名を検索したという。彼女の言わんとしていることは理解できる。今、2代目7シリーズは、見たこともないほどエレガントに感じる(実際、若い女子は実物を見たことがない)。
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