「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」
いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!
文/清水草一
写真/ポルシェ
■ポルシェ好きおっさんが行き着く先はミッドシップ?
クルマ好きなら、一度はポルシェに乗ってみたいと願っていることだろう。ポルシェは、おっさんにとって夢のクルマ。究極の憧れとも言うべき存在だ。
もちろん、おっさんにとっての「ポルシェ」は、911だけである。それ以外のモデルは、ポルシェ製のクルマであっても、単に「ポルシェ」と呼んではいけない。それらはポルシェではなく、カイエンとかパナメーラとか、車名で呼ばれなくてはならない。911以外は「ポルシェ」じゃないのだ!
が、911を手に入れるという夢は、あまりにも遠くに行ってしまった。911の新車価格は、最も安い911カレラで1503万円。カレラSで1834万円、憧れのGT3ともなると、2438万円もする。しかもこれはオプションレスの状態。新車のポルシェを買う場合、最低でも200万円くらいはオプションを付けたくなる。つまり、911の新車は、総額約2000万円からというのが現実だ。
じゃ中古車はというと、これがまた相場が大変高い。空冷911の高騰ぶりはいまさら言うまでもないが、最不人気の996でも300万円から(平均400万円)。997で500万円から(平均650万円)。991型で900万円から(平均1500万円!)、といった感じだ。
もちろん、300万円で996型911ティプトロニックの前期型を買うのは、男の中の男だ。しかし、996型911ティプトロは、今改めて乗ると、驚愕するほど乗り味がおっさん臭い。ステアリングは失神するほどスローで、ティプトロニックのトルコンスリップは卒倒するほどデカい(2速発進)。
もちろんポルシェはポルシェだから、攻めればすべてが研ぎ澄まされ、バランスされているのだが(コンディションが良ければ)、フツーに転がすと、超絶ナマクラに感じる。
ならばおっさんはいっそのこと、ボクスターを狙うべきではないだろうか? ボクスターは、2シーターのミッドシップオープンスポーツカー。前述のように「ポルシェ」ではないが、レイアウト的には、ほとんどスーパーカーと言っていい。
「ポルシェ」を諦めてスーパーカーに乗る。男として素晴らしい決断である。2+2の911よりも、スポーツカーとしてはピュア。しかもオープンだ! スゲエッ!! もちろんボクスターはポルシェ社製。単に「ポルシェ」と呼ぶのはカーマニア的にナシだが、「ポルシェ・ボクスター」と呼ぶのは、何ら問題ない。つまりボクスターは、スーパーカーであり、しかもポルシェなのだ! 一挙両得じゃないか!
コメント
コメントの使い方コメント失礼します。私、定年まで後3年の平リーマンですが987ボクスター前期2.7MTに9年間乗っています。当時走行2万kmのものを300万円以下で購入し、もうすぐ10万kmです。
大きなトラブルもなく今日まで楽しんでおります。
当記事を読ませて頂いて激しく同意しております。楽しい記事ありがとうございました。