スバル  WRX STI S209 “S”史上最高 345psのマシンは最強の“S”か?

スバルは、2019年1月14日 午後0:40(日本時間 1月15日 午前2:40)より行われたデトロイトモーターショー・プレスカンファレンスにおいて、STI(スバルテクニカインターナショナル株式会社)が手がけるSTIコンプリートカーの最高峰、「Sシリーズ」初となる米国市場向けモデルとなる「S209」を発表した。

北米専売・限定200台、さらには「日本での発売は一切考えていない」ということで、スバリストたちの「なんでだよ!」という声が聞こえてきそうだし、いかに北米におけるSTIブランド売り込みもあるとはいえ寂しい限りでもあるが、今回併せて掲載の平川良夫・STI社長のインタビューでは、次期コンプリートカーについての重要な発言も飛び出した。

そちらも踏まえながら、S209の「最強ぶり」をご紹介していきたい。

※本稿は2019年2月のものです
文:ベストカー編集部/写真:平野 学、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年2月26日号


■北米デトロイトショーで初公開

2019年のデトロイトモーターショー。 急遽そのベールを脱いだS209。STI史上初の北米市場向けSモデルで、エンジンは北米WRX STIの搭載する水平対向2.5LターボのEJ25を採用し、Sモデル歴代最強の345.7psを発揮する(※北米仕様のWRX STIは309.2ps)。

リアビューにはこれまでのS207、S208との大きな差異は認められないのだが、フロントセクションに設置された二段構造のバンパーサイドカナードがひと際目を惹く

エンジンは2.5LターボのEJ25でS史上最高の345psを発生する

限定200台が用意され、2019年内に北米で販売される予定で、残念ながら日本国内での発売予定はない。これまで北米ではWRX STIタイプRA、そしてBRZ tSの2台が発売されており、STI製コンプリートカーとしては今回のS209で3台目で、群馬県内の桐生工場で日産2台ペースの生産となる。

歴代のS201~208まではすべて2LのEJ20だったが、EJ25採用の理由についてSTIの平川良夫社長によれば、「日常域のトルクの扱いやすさを重視した」とのこと。あらゆるシチュエーションでドライバーが気持ちよくアクセルを踏むことができる最適なパワーを目標とした。

デトロイトショーではS209の隣にWRCで活躍した2代目WRX STIバージョンの姿が

専用大型エアクリーナーや専用吸気ダクトを採用し、抜本的に吸気抵抗を低減させたエアインテークシステムを構築しているのだ。さらに専用開発の大径ターボチャージャーに加え、大口径テールパイプを備える専用設計の低背圧マフラーを装備。

こういったアイテムを専用のECUで制御することにより、歴代STIコンプリートカー最強の345.7psを発揮する。

歴代のNBRチャレンジパッケージ車同様、ドライカーボン製大型リアウイングを装着して強力なダウンフォースを発生

足回りでは歴代のSTIモデル最大幅となるダンロップ製265/35R19ハイグリップタイプを履いたBBS製19インチ鍛造アルミホイールを装着。

専用開発のビルシュタインダンパーと専用コイルスプリング、強化ブッシュを組み合わせてオーバーフェンダーで拡大された専用ワイドボディに収めた迫力のルックスを身に纏う。

265/35R19インチタイヤに組み合わせられるのは、ゴールド塗装のBBS製鍛造アルミホイール

このほかにも軽量で車体剛性を高めるカーボンルーフを採用し、フロントにはアンダースポイラーや2段構造のバンパーサイドカナードなどで武装。

ドライカーボン製大型リアウイングなどダウンフォースを増やす数々のエアロパーツ装着により、高いハンドリング性能を実現している。

NBRチャレンジパッケージ車の装着するドライカーボンルーフ。スチールルーフから大幅軽量化

S208で採用されたウルトラスエード製とおぼしきステアリングが採用されているほか、STIとRECAROのダブルロゴが刻印された専用フロントシートを備える

〈S209主要諸元〉
全長:4620mm
全幅:1839mm
全高:1476mm
トレッド(前):1544mm
トレッド(後):1554mm
最低地上高:124.4mm
車両重量:1581kg
エンジン:水平対向4気筒DOHCターボ
エンジン型式:EJ25
総排気量:2457cc
最高出力:345.7ps
北米予想価格:800万円

■平川良夫社長を直撃!!

2019年3月10日 (日)、 STIは富士スピードウェイで初のファンイベント「STI MOTORSPORT DAY」を開催予定だ。そこでSTIの平川社長に、今年の動向について話を伺った。

ベストカー(以下、BC) 今回のイベント開催の目的を教えてください。

平川良夫STI社長(以下、平川 敬称略) 大きく3つありまして、ひとつ目は毎年恒例のニュル参戦体制発表とマシンのシェイクダウン、ふたつ目は開発に携わるエンジニアを全員集めてユーザーと直接対話してもらうことによる商品企画へのフィードバック、三つ目がファミリーで一日楽しく過ごせる場を提供することです。もちろん、独身の方でも大歓迎ですが(笑)。

BC さて、昨年はSTI30周年記念車としてタイプRA-Rが登場しましたが、次の一手、STI製スーパースポーツはどうですか?

平川 次のコンプリートカーは皆さんの想像を超えるようなモノを仕込んでいます。期待してお待ちください。

BC ご自身が手がけた22Bの再来みたいな感じですか?

平川 22Bは2ドアモデルでしたが、次のコンプリートカー、「S」は4ドアで皆さんが期待している以上の出来で出します。じゃないとつまらないじゃないですか。

BC 具体的な内容は?

平川 エンジン、シャシー、車体などハンドメイドの領域を広げたい。なので台数は多くは作れないと思います。

BC 昨年、富士スバルからTC380が出ましたが。

平川 あれは新井敏弘さんというWRX STIを知り尽くしたドライバーがラリーでの知見を注いだクルマです。STIとはニュルなどリソースや目的が違いますので、スペック勝負にはなりません。

BC 今年のオートサロンではフォレスター、インプレッサというSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)採用の両モデルにSTIスポーツのコンセプトが展示されました。

平川 SGPは私がディレクションを担当したプラットフォームでして、実はSTIスポーツはSUV系のほうがよさが出ます。SGP初のSTIスポーツはスーパースポーツを出してからやりますよ。

BC そうなるとインプレッサとフォレスターのどちらが先ですか?

平川 それはご想像にお任せしますが、インプレッサの軽さを活かしたSTIスポーツなんていかがですか?(笑)

「次の「S」は4ドアでだします」と明言した平川社長。22B STiの再来となる!?


【番外コラム】 海外でしか発売されなかった日本の怪物車

●WRX STIダイヤモンドエディション

南アフリカで限定30台発売されたのがこのWRX STIダイヤモンドエディション。EJ25はWRX STI歴代最強となる354ps/47.3kgmを発揮。0-100km/h加速は5.03秒!

●ランエボVI RS450ラリーアート

456psを発揮する4G63ターボを積んだ海外専売のランエボVI RS450ラリーアート。その0-100km/h加速は3.2秒と過去のランエボのなかでも飛び抜けたタイム!

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