16歳以上なら無免許でOK!? ヘルメットは努力義務…電動キックボードのルールはこれで大丈夫? 

16歳以上なら無免許でOK!?  ヘルメットは努力義務…電動キックボードのルールはこれで大丈夫? 

 2023年7月に電動キックボードに関する法改正が施行される予定だ。そのなかでも、「ヘルメット努力義務」と「16歳以上なら無免許」は、特に問題視されている。今回は、どのような課題があるのか、解説と考察をしていく。

文/高根英幸
アイキャッチ写真/Ewa Leon – stock.adobe.com
写真/Adobe Stock

免許不要で本当に大丈夫!? ただでさえ危険な乗り物なのに…

2023年7月以降は電動キックボードの規制が緩和され、16歳以上であれば免許不要に。危険な運転をする人が増えるのは間違いない(tsubasa-mfg – stock.adobe.com)
2023年7月以降は電動キックボードの規制が緩和され、16歳以上であれば免許不要に。危険な運転をする人が増えるのは間違いない(tsubasa-mfg – stock.adobe.com)

 16歳以上なら無免許で乗れるようになったのも危険な要素だ。無免許で乗れるということは、道交法についてキチンと学ぶ必要もない。これによって法令遵守の意識も薄いまま、公道で勝手な走りを繰り返す可能性も高い。

 ヘルメットの着用を義務ではなく、任意による装着を努力することとしたのも、解せない。最高速度を20km/hに制限したことで、原付バイクより安全性が高まっている、とでも思っているのだろうか。

 交通事故は自損事故だけではない。対向車や後続車と衝突すればキックボードの乗員にかかる衝突エネルギーは自車の運動エネルギーの比ではないのだ。

 交通量の多い幹線道路でもノーヘルでゆっくり走られた場合、後続車は次々と追い抜いていき、接触事故が起こる可能性が高まることになりかねない。

 電動キックボードがいかに不安定で危険な乗り物か、承知で利用しようというユーザーはノーヘルで乗ったり、交通量の多い幹線道路を走ることは避けるだろうが、そんな危機意識の高いユーザーばかりではないことは充分予想できる。

ヘルメットを義務化しないのはなぜ?

不安定で危険な乗り物なのに、手軽さを優先してヘルメットも努力義務での運転が可能に(OscarStock– stock.adobe.com)
不安定で危険な乗り物なのに、手軽さを優先してヘルメットも努力義務での運転が可能に(OscarStock– stock.adobe.com)

 ヘルメットの着用を義務化しなかったのは、利用のハードルを下げるためであり、利用者の安全を軽視していると見ることもできる。「ヘルメットを被るくらいなら利用しない」というユーザーを電動キックボードに乗せ公道に解き放つことは、逆に危険に晒すことになるとは思わないのだろうか。

 現時点でも、原付登録をせずヘルメットも被らないで規格外の電動キックボードを乗り回している利用者を見かけるほどだ。2023年7月以降は彼らが保安部品を装着して特定小型原付として登録して利用するようになるとはちょっと思えない。

 同じように自転車にもヘルメットの着用が努力義務へと変わったが、一足先に実施している愛知県ではほとんど着用が進んでいない。罰則のない規則では、自分の身を守ろうと思う人以外は着用などしないのだ。

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