■リコールで車を取り替えろと騒ぐ客
保安基準に適合しなくなるおそれがある不具合を無料で回収・修理を行うのがリコールだ。また、保安基準への影響はないが不具合がある場合は改善対策、商品の品質改善などが必要な場合に行われる修理をサービスキャンペーンという。
リコールの発生を機に、クレーマーは動き出す。
最も多いのは、車両の交換要求。また、返金要求も多い。いつの時代も変わらぬリコール発出後の顧客対応だ。
クレーマー1人にスタッフ1人の時間が取られ、作業が進まないこともよくあることだ。なるべく早くリコールに対処したいのに、その思いもクレーマーによって叶わなくなる。
改善なのだが、サービスキャンペーンなども悪と取られる風潮にあるのが不思議なところ。身近なところではスマホやPCなどで、毎週のように不具合改善のアップデートが行われている。アップデートは「善」、改善対策やサービスキャンペーンが「悪」とされるのはなぜだろう。
クレーマーに対応ももちろんだが、このような社会のイメージ付けも、ディーラーが疲弊する一つの要因になっていると筆者は思う。
■予約なし・事前相談なし・一見客が引き起こす摩訶不思議な故障ストーリー
クレーマーは突然やってくるもの。「○○(メーカー名)のクルマが壊れたから無償で修理しろ、クルマは買ったばかりのものだ。」
どこで買ったのかと聞くと、一般の中古車店だという。「まずは購入されたお店に相談してください」と伝えるが、客は聞く耳を持たない。
1時間居座り続けたので、たまらずクルマを販売したお店に連絡し、事情を説明。店の販売担当がやってきて、客に平謝りと説明をし、二人で退店していった。
クルマの故障をメーカーのせいにされることは非常に多いが、まず話をするべきなのは、売買契約を結んだお店。見たこともない、売ってもいないクルマを、すぐに診てタダで修理できるほどディーラーは暇ではない。
クレーマーのクルマほど壊れやすいという法則。不思議なジンクスが、世の中にはあるものだ。
過度なクレームは、明らかな営業妨害に繋がる。最近ではクレーマーのやり口も巧妙で、対処が難しく、警察へ相談するケースも増えているという。
売る側も買う側も気持ちよく対等な立場で取引をしたいと、筆者は思っているのだが、まだ日本の消費者は、買う側の立場が上と誤解している人が多いようだ。理不尽なクレームは止めていただき、穏便な話し合いから解決策を見つけて欲しい。
【画像ギャラリー】警察へ相談するケースも増加!? ディーラーを疲弊させる理不尽すぎるクレーマー(6枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方整備士をやっているけど、買った店に持って行かない客は本当に迷惑。
マンション関係の仕事をしてますが、同じですね。
共通するのは、人間が作るのだから100%完璧の物なんてあり得ない、という事を理解できない。
それと、最近増えているのは他人より多くやってもらって得をしたと満足する連中。損得でしか考えられない連中です。
日本から中庸が無くなりつつあると思う。