■完璧に見えるプリウスだが、改善ポイントもいくつか指摘アリ
同乗した家族やパートナーからは、概ね良好な意見が多く飛び出したが、いくつかNGが出たところもある。
まずは後席ドアとバックドアについて。電気式スイッチを採用したことにより、開閉の仕方が分かりにくいという指摘が多かった。特にCピラー部分に埋め込まれた後席ドアの開閉スイッチに戸惑う姿が目に付く。
ドアハンドルが無くなったことで、一部の方からは「スイッチ部分に子供の手が届かず、子供だけでドアを開けられないのは問題かも」と、スタイリッシュなエクステリアならではの不便さをNGポイントに挙げる声もあった。
さらに、静かな室内空間だからこそ気になるというのがウィンカーの作動音。話を伺った方の言葉をそのままお伝えすると「ザラついた感じの音がして、耳障り」だという。
筆者もこの意見に同意する。電子化が進むクルマでは、ウィンカーの音も機械的に作り上げたものだ。つまりクルマが奏でる音楽とも言える。昔ながらのリレー作動音に近い、乾いた歯切れの良い音が個人的には好きだが、電子音のピコピコした感じも嫌いではない。
ただ、新型プリウスのウィンカーの音に関しては、電子音とリレー音の中間といった感じ。表現は難しいのだが、点灯と消灯の瞬間に「ギュッ」「ギャッ」というような、擦れた感じの音が残る。存在感があっていい面もあるが、長く聞いていると何だか気になる音だ。
音に関しては、個人の好みが分かれる部分。ただ、圧倒的な静寂があるプリウスだからこそ、もう少しこだわって欲しかったところ。
乾いた感じの「カチン」という音の要素を足したほうが、クルマの質感にマッチするようにも思う。筆者の主観だが、アルファードやbZ4Xのウィンカー音の方が、聞いていて心地良い。
様々な好みがあり賛否両論はもちろんある。しかし、全体を通して言えるのは、新型プリウスは、乗った人全員に魅力が伝わるクルマだということだ。
営業マンをしていた筆者の経験上、試乗後の感想はドライバーからしか出てこないことがほとんど。同乗者からは「まぁ、いいんじゃない」程度で終わってしまうものなのだ。だからこそ、こんなにも様々な感想が出てくるのは、プリウスの進化の賜物とも言えるだろう。
たくさんの方にお話を伺って、改めてプリウスが特別なクルマに生まれ変わったことを感じることができた。お話を伺った多くのお客様に感謝を申し上げて筆を置く。
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