■「スモールカーのスズキ」を不動のものとしさらなる飛躍へ
スズキは、鈴木修というカリスマ経営者によりインドへ早期進出(1982年)し、その後東欧ハンガリーへもいち早く進出(1991年)。
インドでは圧倒的な生産・販売基地化を図り、環境規制の厳しい欧州ではハンガリーを生産供給基地化している。また、日本国内では軽自動車を主体に「スモールカーのスズキ」の位置付けを不動のものとした。
そして、2022年6月に経営の第一線から退いた鈴木修氏が託したのがトヨタとの連携だった。奇しくも2023年2月14日に逝去された豊田章一郎トヨタ名誉会長と鈴木修氏は肝胆相照らす仲だったし、ともに息子に経営を任せた。またトヨタの豊田章男社長は鈴木修氏を「第二の親父」とリスペクトする。
スズキの鈴木俊宏体制が2023年6月から8年目を迎えるなかで、インドトヨタ社長のキャリアを持ってスズキ入りした石井直己副社長が代表権を持つ代表取締役副社長となった。
デンソーで修行した鈴木俊宏社長によるチームスズキは、デンソー・豊田通商とも連繋し、BEV戦略とインドを基点とするアフリカ地域の開拓を進める計画で、さらなる飛躍が期待される。
【番外コラム】スズキのEV戦略を鈴木直也はどう評価する?
世界の主要自動車メーカーのなかで、スズキほど製品ターゲットを絞り込んでいるメーカーはない。
日本では軽自動車がメイン。グローバルではA〜Bセグメントが主力商品で、しかもインドを中心とした途上国マーケットが主体。一貫して、お手頃価格の庶民の足を主力商品としてきている。
これってとてもスゴイことですよ。
価格の安いクルマは徹底的に低コストで生産しないと利益が出ない。そこを主戦場としながらスズキの経営は一貫して堅実で、国内自動車メーカーの株価時価総額ではトヨタ、ホンダに次ぐ3位につけている。
そのスズキが、2023年度に軽商用BEVを投入し、2030年度までに国内でBEVを6車種揃えるという。
サクラ/eKクロスEVの登場によって、補助金込み200万円でちゃんとしたEVが買える時代が来たわけだけど、スズキは社長自ら「100万円台をなんとか達成したい」と表明。さすがスズキ! としか言いようがない。
欧米ではEVがブームといっても、価格500万円以上じゃ庶民は手が出せないわけで、それじゃカーボンニュートラルも絵空事。
庶民の味方スズキに、大いに期待したいね!
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