日本が世界に誇る国際サーキット、鈴鹿サーキット。このサーキットの名物のお土産をご存知だろうか?それはタイヤカス……そっくりなさきいか、その名もタイヤカスさきいかだ。このユニークなお土産はどのようにして誕生したのか。そしてどんなこだわりがあるのか。鈴鹿サーキットの名物珍味の魅力に改めて迫る。
文/西川昇吾、写真/鈴鹿サーキット
■当初は限定商品の予定だったタイヤカスさきいか
タイヤカスさきいかが誕生したのは2011年、鈴鹿サーキット50周年に合わせてF1日本グランプリ限定での販売であった。
タイヤカスとは、文字通りタイヤから発せられるカス。その正体はタイヤの溶けたゴムで、レース終盤では熱で溶かされたゴムがひも状になってコース脇に散乱している。
タイヤカスとさきいかを組み合わせたユニークなアイデアはよくあるような一般的なお菓子のお土産よりも、鈴鹿サーキットらしさ、モータースポーツらしさが表れた何かにそっくりなものを作りたいという思いから誕生した。
そこでさきいかを黒く塗るとタイヤカスにそっくりであることに気づき、タイヤカスさきいかが誕生したのだ。このユニークな商品は大ヒットとなり、2012年からレギュラー商品になり、今日まで販売されている。
また、このタイヤカスさきいかのヒットをキッカケに、鈴鹿サーキットではアスファルトを模したラスクやせんべいなどが販売されるようになった。タイヤカスさきいかは現在の鈴鹿サーキットのお土産のパイオニア的存在と言える。
■タイヤカスさきいかのこだわり
タイヤカスさきいかの黒さはイカ墨によるものだが、単にさきいかを黒くしただけでなく、細かなこだわりがあるのだ。
まずは大きさ。普通のさきいかは大小さまざまなものがあるが、タイヤカスさきいかはタイヤカスそっくりになるように、わざと粗目の大きなさきいかを選定している。また、タイヤカスに細かな砂が付着しているのを、調味料をまぶすことで再現しているのだ。
そして何よりさきいかとして美味さ、味にもこだわっている。ユニークなアイデアとこれらのこだわりが功を奏し、近年では鈴鹿サーキットの商品の中で最も販売個数(2022年:19214個)が多い商品だそうだ。
コメント
コメントの使い方