サービスエリアやショッピングモールにある車いす用駐車場。健常者には気づきにくいが、車いすドライバーからみると思わぬところに「不便のタネ」が潜んでいるようだ。トヨタが始めたプロジェクト「まだまだマナー」を元に、そんな不便さを解消する思いやりをさぐってみよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ画像=Surachetsh@Adobestock)
■ドアが全開にできるだけのスペースを!
トヨタが車いすユーザーの抱える困りごとの理解促進に向けて、「まだまだマナー」というプロジェクトを始めた。駐車場などで車いすユーザーが出会う「困った状況」を広く知ってもらおうと、動画や歌を作成し、SNSで発信していくという。
その内容が「確かに!」と膝を打つものだったので、改めてここでも紹介したい。まず最初が「車いす用駐車場の隣には余裕をとってクルマを停める」というマナーだ。
車いす用の駐車場はたいてい幅自体が広くとられているか、脇にゼブラゾーンが設けられている。なぜかといえば、ドアを全開に開くため。そうしなければ車いすユーザーは車いすの乗り降りができないからだ。
「広いんだからちょっとくらい大丈夫だろう」とゼブラゾーンにはみ出してクルマを停めると、そのドアを全開にするスペースを奪ってしまい、車いすユーザーには非常に困った事態を招く。もし車いす用駐車場の隣にクルマを停めることがあったら、「ドア全開にできるかな?」ということに気を配ろう。
■駐車場に三角コーンを置いちゃダメ!
ときどき、車いす用駐車場に健常者がクルマを停めているけしからん風景をみかける。それを防ぎたいという気持ちは分かるのだが、勢い余って駐車場に三角コーンを立ててしまうのはかえって困った事態を招いてしまう。
答えはもちろん、「車いすユーザーはその三角コーンを動かせないから」。同乗者や通行人がいればお願いしてどかしてもらうこともできるだろうが、そんな都合のいいときばかりではない。仕方なく三角コーンを押し倒して駐車する、という車いすユーザーもおられるようだ。クルマも傷付くし気の毒だ(泣)。
車いす用駐車場の三角コーンは、駐車場の管理者自体が立ててしまうケースもある。もちろん不正な利用者がいるためだろうが、複雑な心境にもなる。もう少し世の中全体で車いすユーザーに思いを巡らせる必要があるだろう。
コメント
コメントの使い方そもそもソレって車いす用駐車場なのでしょうか?
一般的な車いすマークの駐車スペースは身体障がい者や妊産婦、怪我など歩行が困難な方々の外出を支援するためにものだったはず。
三角コーンなら同乗者や係員に頼むなどすれば移動出来るが、迷惑駐車されたら動かせませんよね。
アメリカの多くの州の様に許可証がない車には違反切符を切る様に法改正するのが一番。
ルールが時代に合わなくなっている。