エスクァイアだけなぜ消えた!! 多くのファンに愛された個性派トヨタ名車5選

「マークX」は個性あふれる派生モデルも魅力だったFRスポーツセダンの雄

なぜ消えた!! 個性派だけど多くのファンに愛された最近の名トヨタ車5選
前身モデルであるマークIIとして登場以来、50年以上に渡って愛され続けてきた感謝を込めて発売されたマークX 特別仕様車 250S“Final Edition”

 1968年の誕生以来、国内での累計登録台数が480万台を超えたマークIIの後継車として2004年11月に登場したマークX。

 “新時代の目標となるクルマで、新たな歴史を切り拓く”という気概のもとに車両性能から車名に至るすべてを一新したトヨタの意欲作だった。

 低重心シルエットと台形フォルムによって表現した躍動感のあるプロポーションはもとより、2.5リッター(最高出力215ps)と3リッター(最高出力256ps)の2種類のV6エンジン設定や新開発の6速AT(2WD車)とマニュアル感覚のシフト操作が可能な5速のシーケンシャルシフトマチック(4WD車)の採用などでクラストップレベルの動力性能と優れた操縦性・走安性を実現。

 インテリアもLEDを用いた先進感のある天井大型イルミネーションをはじめ、室内各所で優美に発光する照明など新たな演出が取り入れられた。

 2009年10月のフルモデルチェンジでは3リッターエンジンを廃してレクサスIS350に搭載の3.5リッターV6(最高出力318ps)を採用するとともに、全車に駆動力統合制御システムのDRAMSを備えた6 Super ECTを組み合わせることで余裕のある上質な走りも提供した。

 しかし……セダン人気の凋落と販売網の再編などによって2019年12月に生産終了。

 マークIIから続いた51年という長い歴史に幕を下したが、3モードキャビンを採用した「ジオ」、スポーツコンバージョン車シリーズの「G SPORTS」、GAZOO Racingが開発した「GRMN」などの派生モデルも販売されるなど、多くのファンに愛されたクルマだったことは間違いない。

パッと見はフツーだけど…左右非対称ボディが個性を主張した「ポルテ」

なぜ消えた!! 個性派だけど多くのファンに愛された最近の名トヨタ車5選
誰もが笑顔になるような使い勝手の良さを追求したポルテは、大開口ワイヤレス電動スライドドアを特長とする2BOXとして国内コンパクトカー市場を牽引した

 ユーザーの生活をもっと楽しく快適にすることを目指して開発された初代ポルテがデビューしたのは2004年7月。

 それまでにない革新的なパッケージを最大のウリとした新コンセプトの2BOXは助手席側に装備した大開口電動スライドドアと乗降口の段差をなくした300mmの低いフロア地上高によって優れた乗降性を実現。

 そのいっぽうで高く設定した室内高は、フラットフロアから生まれる広い室内空間によって優れた使用性を提供し、“クルマの新しい使い方”をユーザーに提案した。

 その後、2005年12月の一部改良で4WDを設定し、2006年9月には運転席が脱着可能で電動車イスとして使用できるウェルドライブシート搭載車両を設定。2007年6月に意匠変更を行うマイナーチェンジも行われた。

 そして、2012年7月には兄弟車であるスペイドの新登場とともに2代目に進化。直線と円弧を組み合わせたスクエアオーバルを各所に織り込み、機能的かつ親しみやすさを徹底的に追求。

 初代から継承した使い勝手の良さも手伝って、その受注台数は発売後1カ月で1万1000台を記録した。

 その後も多彩な特別仕様車が発売されたが、続々と登場したポルテと同様のコンセプトをもつライバルに太刀打ちできず、2020年12月にひっそりと生産終了した。

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