■1989年登場車で今も続く8車が生き残った理由
(TEXT/渡辺陽一郎)
日本の自動車業界が最も輝いた瞬間、それが1989年だった。国内販売台数が空前絶後の778万台に達するのは1990年で、その前年だから、盛り上がりは最高潮であった。
4代目フェアレディZが最高出力280psを発揮して後の自主規制に繋がり、スカイラインGT-Rも復活した。ツインターボ、4WD、4WSなど、ハイテク化と高性能化が著しかった。
その一方で「走りを純粋に楽しみたい」気持ちに答えて、ハイテクを一切使わない初代ユーノスロードスターも発売されている。初代セルシオは、V型8気筒エンジンからプラットフォームまで、すべてを新開発して世界で戦える高級セダンを目指した。
これらの車種とこの時代を輝かせたのは、日本と海外の販売比率だ。今は大半のメーカーが世界生産台数の80%以上を海外で売るが、1989年頃は50%ずつだった。
日本の使い方や好みに合わせながら、海外にも対応して走行安定性、乗り心地、内装の質などを高めていく。この絶妙なバランスが優れた商品開発に繋がり、好景気の後押しもあって夢の時代が訪れた。この50%比率をもっと長く保てたら、夢の時代も長続きしていた。
輝いた時代を走り抜けたクルマには勢いがあるから、ロードスター、セルシオ、レガシィなどは、その後も好調に売れて各社の主力車種に成長している。
なお、当時の自分は自動車誌の編集者で忙しかったけど充実していたのを思い出す。
〈現在も頑張って続いている1989年登場車〉
●トヨタ ハイラックスサーフ(→ハイラックス)
●トヨタ ハイエース
●トヨタ セルシオ(→レクサスLS)
●日産 スカイライン
●日産 スカイラインGT-R(→GT-R)
●日産 フェアレディZ
●ユーノスロードスター(→マツダロードスター)
●スバル レガシィ
■シルビアの姉妹車、180SXが大人気!その理由は?
(TEXT/岡本幸一郎)
S13シルビアが売れまくっていたなか、海外向けだったリトラ&ファストバック版の180SXも日本で販売されることになったのが5月。
コッチのほうが断然カッコイイ! と当時は学生だった筆者も買えないながらも色めきたった。実はあまりに気に入ったので、その後社会人になってすぐ無謀なローンを組んで買っちゃったけどね。
本来はシルビアともどもオシャレなデートカーがコンセプトのはずだけど、手頃なサイズでパワフルなFR車となれば世のドリフト愛好家が放っておくワケがない。さらには3ナンバーになりデザインも不評だったS14シルビアの販売が低迷。180SXの価値があらためて見直された。
その後は見た目の改良や低価格版の追加によりシルビアがS15になるまで延命が図られたものの、クーペが売れない時代になり180SXは1代で消滅したが、S15のリアウインドウの角度には180SXの面影が……。
コメント
コメントの使い方三菱ミニカは新規車種ではなく6代目だと思われます。