■もしや追加も!? 新型クラウンセダンはマジェスタ復活の布石か
マジェスタの特徴は長いボディに大型のエンジン、そして充実した室内装備である。
例えば、先述したS17系マジェスタは、全長4,900mm、2,800mmのホイールベースに、V型8気筒の4.0Lエンジンを搭載する。エアサスを装備し、室内は助手席と後席を中心にした快適性を高めるのもマジェスタらしさだ。
今秋登場予定のクラウンセダンを17系マジェスタと比較してみよう。
全長は5030mm、ホイールベースも3,000mmと長く、マジェスタ的雰囲気は持っている。動力ユニットにはクラウンシリーズの中で唯一FCEVを載せ、先進性も高めた。ここまでなら十分にマジェスタを名乗ってもいいと思うのだが、マジェスタの肝である高級感については今一歩足りない印象を受ける。
車格的には十分なクラウンセダン。もう少し中身を豪華にできれば、マジェスタ復活と言えなくもなかった。
非常に惜しい存在だが、見方を変えれば、さらに上級なクルマを作り出す余地を残したとも言える。クラウン4兄弟が発売された後に、さらに上質なマジェスタが復活する可能性はゼロではないと筆者は思う。
■レクサスもあるがやっぱ必要!! マジェスタの存在意義はデカかった
高級車ならレクサスというのももっともな意見。ただレクサスの存在が、マジェスタ不要の理由にはならない。
LSまではいかなくともESの対抗馬になるようなモデルがトヨタにあり、そのクルマがトヨタラインナップの頂点に君臨する必要がある。
近年ではあまり気にされなくなった車格や車種のヒエラルキー。車両価格だけでクルマが下から上に並べられていて不便はないが、ラインナップに締まりがないように見える点には懸念も多くある。
フラッグシップ(旗艦車種)という言葉も耳にすることが少なくなった現代だが、クルマを製造するメーカーの中で、ブランドの顔になるクルマが必要だと思う。
今現在、レクサスにはLSがあるが、トヨタのフラッグシップと言われてもピンと来ない。
世界で戦うクラウンのブランドイメージを高めるためにも、トヨタブランドの成長のためにも、フラッグシップは必要だ。そこに相応しいのはマジェスタなのである。
今後、フラッグシップが確立しない中で、トヨタラインナップの統制が乱れる可能性は十分にある。そんな時に、トヨタ車の最高峰とは何なのかを体現したマジェスタがいれば、混乱は収まるはずだ。
クラウンセダン登場の数年後でも構わない。トヨタが本気で作ったマジェスタをもう一度見てみたいと思うのは、筆者だけではないだろう。
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