■ホンダ ZR-V
続いてZR-Vを試す。2Lエンジンを発電にも駆動にも使うシリーズパラレル型のハイブリッドで、モーターではなくプロペラシャフトで駆動力を後輪に伝えるタイプの4WDだ。
クルマやバイクで走っているとわかりにくいが、ターンパイクの上り坂は相当きつい。こちらもパワー不足を感じてしまった。直4、2LNAエンジンが141ps、モーターが184psの出力を持つZR-Vだが、加速は鈍い。またエンジンが苦しそうに唸り、その音もチープな印象だ。
エクストレイルもそうだったが、一般道での印象とまるで異なるのだ。クルマはゆっくり走っているだけではわからないところがたくさんある。
ハンドリングはどうか。ZR-Vも試乗車はスタッドレスタイヤを装着している。
「走行中、ずっと微振動が続いています。エクストレイルのほうがボディの剛性感がありましたね。スタッドレスタイヤのわりにはゴツゴツくるし、路面の荒れが吸収されずボディ全体に伝わってきます」
コーナリングの姿勢もあまりよくない。前のめりになってリアに荷重がかけにくいと言う。
「動きが全体的にフワフワしていて不安定だし、フロントが沈んで前後の荷重が合わせにくいんですよ。コーナーのRに対して前後一緒にロールしてくれるのが理想なんですけど、このクルマは前のめり。エクストレイルとだいぶ違いますね」
コーナリング中の姿勢を測れる装置がもしあれば、フロントが沈む角度はクルマによってかなり違うはずだと利男氏は言う。もちろん前後がフラットなのがよく、前のめりになるのは厳しい。
「そういう部分がうまくセットできているのがいいクルマなんです。普通の人にはわかりにくい部分かもしれないけど、そこがいいクルマは安定していると感じるし、疲れにくいとも思うはず。このクルマはもうちょっと煮詰めてほしいですね」
ZR-V、パワーユニット、ハンドリングともに厳しい評価となった。
■ルノー アルカナ
F1テクノロジーを活かした独自のハイブリッドシステムを搭載するアルカナE-TECHハイブリッド。国産ハイブリッドにはないダイレクト感のある走りが魅力的なクルマなのだが、またしてもターンパイクのきつい上り坂に翻弄されてしまった。
「全開でもスピードが落ちてきちゃいます。これ、平坦な高速道路でも100km/h以上からの加速は厳しいんじゃないかな?」
厳しい上り坂でスピードを維持するためなのだろう、アクセル一定でもATが頻繁にシフトアップ、ダウンを繰り返し、落ち着かない。これもまた一般道を走っている時とまったく印象が違う!
「モーターがアシストしている感じがしないし、エンジンの音もよくない。ハンドリングも前後のフラット感はあるんだけど、足回りがバタバタしていて、スピードを上げていくとついてこられないんじゃないかと不安にさせられます。俺、乗り方間違えてる!?」
利男氏、あまりにもユニークな走りに、自分のドライビングを疑うというめずらしい展開となった。もちろん、そんなことはありません。
コメント
コメントの使い方あの鈴木さんが言うなら、俺は信じるよ
車の値段が違いすぎるやんかいさ。
編集部への中傷は許さない!