■行き着く先は……バス停名の最終形態
もう後がない段階まで行き着いた先の対抗策、実は残されている。ただしこの策は唯一、前述した広い・狭いの概念が通用しないのと、ちょっと「名前」のレベルまで届かずな呼ばれ方をする。つまり番号だ。
北海道・帯広エリアをカバーする十勝バスの上士幌線・ぬかびら線を例に挙げると、「1号」から「57号」まで、通し番号を名称に当てがったバス停が48箇所置かれている。細かい名称で書くと「中士幌1〜20号」、「士幌21〜35号」、「上士幌36〜57号」になる。
番号の付け方にはルールがある。ぬかびら線が走る十勝地方には碁盤の目のように道路が敷かれており、バスのメインルートが1本の縦線だとすれば、一番下の横線を1号として、上へ進み横線がクロスするたび順番にカウントしていく。
もちろん普通の名前を持った停留所に「○○号」は付かない。命名の題材が見つからなかった(と思われる)箇所にだけ番号が割り振られる仕組みらしい。ぬかびら線に留まらず、北海道の郊外を走る路線バスでは番号系の停留所名が頻繁に見られる。
番号がバス停名の最終形態とも取れるが、では更に奥へと進んだ「無名」が名称のバス停はあるのだろうか。どうやら全国どこを探しても、さすがに皆無のようだ。
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