夢見たアンダー200万FRスポーツは幻に……トヨタS-FRが市販されなかった理由ってなんなのよ

■なぜS-FRは市販化されなかったのか?

市販化されなかったのがつくづく惜しいと思わせるS-FR。トヨタさん、今からでも遅くないですぞ!!
市販化されなかったのがつくづく惜しいと思わせるS-FR。トヨタさん、今からでも遅くないですぞ!!

 ここからは筆者の憶測となるが、考えてみるとS-FRが市販化されなかった理由はいくつか浮かんでくる。

1.開発資源が足りなかった?

 S-FRが市販化されていたのであれば、開発を担当するのは現在のGR部門だっただろう。しかし、S-FRが東京モーターショーに出展された時点ですでにトヨタは2017年からのWRC復帰を発表しており、この頃には現在のGRヤリスとなるモデルが構想されていたのかもしれない。

 もしそうであれば、いかに大トヨタといえどS-FRとGRヤリスの2台を市販化するのは難しく、その場合はWRC参戦ベース車という目的によりGRヤリスが市販化され、S-FRが幻になったのも理解できる。

2.初代86の中古車との価格的なバッティング?

 S-FRが市販化されたとしたら、ライバルとなったのは案外200万円程度の初代86の中古車かもしれない。というのはもちろんS-FRの魅力は大きいにせよ、中古86も主に積載性という意味での実用性の高さや、エンジンが2LなだけにFR車らしいパワースライドがやりやすそうだったという強みを持つ。

 そのように考えるユーザーが多ければ、S-FRは期待ほど売れなかったということも充分あり得ただけに、この点もS-FRが市販化されなかった理由だったのかもしれない。

■S-FRの市販にまったく望みはないのか?

次期型マツダロードスターをクーペモデルとしてこのS-FRのエッセンスを詰め込んだ市販車として登場させるのは不可能ではない?
次期型マツダロードスターをクーペモデルとしてこのS-FRのエッセンスを詰め込んだ市販車として登場させるのは不可能ではない?

 これも筆者の願望、妄想だが、「トヨタがアライアンスを結ぶマツダのロードスターをクーペにすれば、S-FRの意思を継ぐスポーツカーになるのでは」と思うことがある。

 ただ、もしそういうことがあったとしても、その場合のロードスターは次期型になっていると思われ、電動化やそれに伴う価格、S-FRも4シーターではなく2シーターになりそうなど、懸念される要素は多々ある。

 しかし、ロードスターも現行型で兄弟車だったアバルト124スパイダーがなくなったこともあり、いろいろな意味で折り合いがつくのであれば次期ロードスターとS-FRが兄弟車になるというのは生産台数の確保など、両社にとって“ウィンウィン”なのではないだろうか。

 まあ、それ以前にこれから純エンジンのスポーツモデルが開発されるというのは絶望的ではあるが、それでも何らかの形でS-FRが市販化されれば喜ぶクルマ好きは多いのではないだろうか。

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