教習所でも教わる日常点検は、ドライバー自らが行わなければならない点検です。今回は、日常点検の必要性や点検すべき項目などについて紹介します。この記事では、自家用乗用車の日常点検について解説しています。事業用車両等の運行前点検とは内容が異なる点もあるためご注意ください。
文/齊藤優太
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■JAF出動はバッテリートラブル堂々1位!! 日常点検は超重要
車の日常点検とは、車の使用者や運行しようとする人が自分自身の責任において行う点検です。
車の使用者は、車の走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に日常点検を行う必要があります。
日常点検を怠ってしまうと、不具合の早期発見ができずトラブルや事故になってしまうこともあるため、最低でも1カ月に1回は日常点検をしましょう。
なぜ1カ月に1回の点検が必要なのかというと、タイヤの空気圧は1カ月で約5%ほど(一般社団法人日本自動車タイヤ協会のデータより)自然減少するからです。
また、JAFのロードサービス出動理由のランキングを見ると日常点検の重要性がわかります。
【JAFロードサービス出動理由トップ3】
1位:バッテリー上がり
2位:タイヤのパンク
3位:落輪・落込
JAFロードサービス出動理由の上位2つの「バッテリー」と「タイヤ」は、日常点検の項目に含まれています。
つまり、日常点検をしておくことで、トラブルを減らすことができるといえるでしょう。
では、日常点検の項目について、「教習所(普通自動車第一種の場合)」と「自動車メーカー」の2つに分けて紹介します。
■教習所で教えている日常点検を覚えてる?
教習所で行う路上教習前の日常点検は、エンジンルーム内の点検が中心です。
ボンネットを開け、エンジンオイルの量や色、バッテリーの液量、ブレーキオイルの量、冷却水の量、タイヤの状態などを点検してから路上教習となります。
応用走行の段階(いわゆる2段階)では、公道を走行することがメインとなるため、必要最低限の日常点検を生徒に実施してもらい路上に出ているのが実情です。
ただし、タイヤの空気圧や溝の深さの見方、タイヤ交換の方法などについては、応用走行(路上教習)の最初や学科教習などで教えています。
そのため、このあと紹介する国家公安委員会が明記している日常点検について一通り学んでから卒業しています。
では、国家公安委員会が作成している「交通の方法に関する教則」に記載されている点検項目を見てみましょう。
・ブレーキペダルの踏みしろや効き具合
・パーキングブレーキの引きしろ
・エンジンのかかり具合やアイドリング時のエンジン回転の状態
・ウィンドウウォッシャーの液量やワイパーの拭き取り具合
・バッテリーの液量
・ラジエーターの液量
・エンジンオイルの量
・灯火類(ヘッドライトや方向指示器など)の点検
・タイヤ(空気圧、亀裂や破損、残り溝の深さなど)の点検
※「交通の方法に関する教則」より一部抜粋
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