■複数のドアを付けるのは予想以上に大変
3列ドアはメルセデス・ベンツだけの専売特許ではない。アウディも2016年に、ハイエンドサルーンA8Lに「エクステンデッド」という3列ドアモデルを投入している。
このクルマはヨーロッパ市場の特別な顧客のために生まれたスペシャルモデルのようだが、全長が6.36m、ホイールベース4.22mというボディサイズは圧巻だったろう。こちらもEクラス同様完全な3列レイアウトで、高級ミニバン顔負けの6つの独立したシートを備えていた。
さて、このように歴史的には実例がある3列シートだが、ドアを3つ並べるとボディの長大化は避けようがなく、運動性能や取り回し、強度面を考えると、広く普及する車型にはならなりそうもない。
ちなみに2003年に登場したマツダRX-8はフリースタイルドアという観音開きドアを採用したが、その理由は「前ヒンジがある後席ドアを設けるとコンパクトなキャビンが作れない」というものだった。ドアを保持するピラーにも頑丈さが求められるし、ドアを複数並べるという構造は想像以上に難関なのだろう。
というわけで、ミニバンが4枚ドアなのは極めて妥当な決断であることが分かった。3列目にドアを付けるのは、ひとまず大型車やリムジンにまかせておこう。
【画像ギャラリー】「ドアはシートの数だけなきゃダメ!」とドアを6つ付けてしまった珍車たち!(18枚)画像ギャラリー
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