死ぬほど危ない電動キックボードがなぜ「死ぬほど危ないか」を説明したい

タイヤが径が小さく細いことのほか、重心が高いことでもバランスを崩しやすい

 自転車に乗っていて、轍やマンホール、側溝の溝などにタイヤがはまって自転車が左右に流されたり、段差を斜めに乗り越えようとして強烈なキックバックが起こって転倒した、という経験はないだろうか。ロードレースタイプやマウンテンバイク、ママチャリなど、自転車の種類によって影響の大きさは変わってくるが、タイヤ径が大きな自転車であっても、段差を乗り越える際に不安定になる瞬間があるのは、多くの人が経験されていることだと思う。

 これが、タイヤ径が小さい電動キックボード(2輪)では、さらに危険になる。タイヤが小さいことで、段差を乗り越えることができず、前タイヤが引っかかって前転するように転倒する「ジャックナイフ現象」を起こしやすいのだ。電動キックボードは、乗員が立ち姿勢での運転なので重心が高いために余計にバランスを崩しやすく、またタイヤ幅も細いために轍や側溝などの影響を受けやすく、そのぶんキックバックが強烈となりハンドルが取られやすい。

 これらの弱点を十分に理解して運転しなければ、電動キックボードは非常に危険な乗り物になってしまう。

車道と違って、歩道の路面には凹凸がとても多い(PHOTO:Adobe Stock_ ah)
車道と違って、歩道の路面には凹凸がとても多い(PHOTO:Adobe Stock_ ah)

路面の状況はよく確認し、段差を乗り越えようとしないこと

 車道もしくは自転車道では、基本的には路面に段差は少ないはずだが、走行する路面の状況をよく確認して走行することは必要。歩道を走行できる場合(構造上の上限速度6km/h)であっても、段差は絶対に乗り越えようとせず、避けきれない場合は、速度を落とすか、安全を十分に確認したうえで、いったん降りるようにしてほしい。

 また、キックボードのメンテナンスも欠かさないようにしてほしい。エアボリュームが少ないので自然と空気が抜けやすく、タイヤが路面の凹凸の衝撃を往なしきれなくなるためだ(=エンベロープ特性が低い)。また車両選びの際も、タイヤの外径が大きく、幅が太い種類を選ぶようにしてほしい。安定感の高い、後ろタイヤが2輪のキックボードを選ぶのもアリだ。

 ルールとマナーを守れば、便利な乗り物である電動キックボード。正しい知識をもって、(努力義務とされる車両であっても)できる限りヘルメットを着用し、安全に活用してほしい。

JAFの実験によると、電動キックボードに乗って時速20kmで停止した自動車へ衝突した場合の頭部への衝撃は、ヘルメット非着用時だと着用時の約43倍となり、頭蓋骨骨折や脳損傷、死亡のリスクが跳ね上がることがわかった(資料出典:JAF)
JAFの実験によると、電動キックボードに乗って時速20kmで停止した自動車へ衝突した場合の頭部への衝撃は、ヘルメット非着用時だと着用時の約43倍となり、頭蓋骨骨折や脳損傷、死亡のリスクが跳ね上がることがわかった(資料出典:JAF)
JAFによる実験のようす。電動キックボードのドライバーの頭が、フロントガラスにうちつけられている。実験ではこのあと、お尻から地面に落下し、頭部を地面にうちつけている(画像出典:JAF)
JAFによる実験のようす。電動キックボードのドライバーの頭が、フロントガラスにうちつけられている。実験ではこのあと、お尻から地面に落下し、頭部を地面にうちつけている(画像出典:JAF)
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