■1980年代以降の四角い珍車・名車を厳選! 懐かしのモデル編
振り返ってみると、主に1990年代までの当時の言葉でいうRV、セダンとスポーツ系でも昭和までなら四角いクルマがこれだけあったことに改めて驚かされる。
ジャンルごとに見ていくと、昭和までのセダンはスペースの確保と大きく見えるデザインのため四角いデザインを採用していたと思われ、空力のためスペースを犠牲にしていた昭和末期のアウディ各車と比べると対照的で面白い。
スポーツモデルの四角いクルマは、1980年代後半以降成功したモデルが浮かばないというのが率直なところ。ただ、アルシオーネのCd値は日本車で初めて0.3を切り、その値は0.29と低い。「四角いデザインだから空気抵抗が大きい」とも言い切れないことを教えてくれた。
RV関係と軽乗用車はスペースを重視したいのもあり、四角いデザインを採用する傾向が昔から根強いことが、ピックアップした車種を見るとよくわかる。
●スバル アルシオーネ(1985年)
アヴァンギャルドさが目立つエクステリアではあるが、もう少し車高が低ければよりカッコよかったかも? インテリアもアヴァンギャルドなものだった意欲作。
●日産 サニーRZ-1(1986年)
トラッドサニーのキャッチコピーを使った6代目サニーの3ドアクーペで、デザインは賛否あったが、筆者は武骨さしか浮かばないという印象だ。
●三菱 デボネア(2代目・1986年)
「走るシーランカス」と呼ばれた初代ほどの四角さではないが、四角さにより広さとフォーマルさを備えていた。AMGは四角さがより強調されていた。
●日産 サファリ(1987年)
ランクルのライバルとなるラージクロカンSUVだったが、サファリの四角さは同時期のランクル60や80に対し武骨過ぎ、一般ウケせず伸び悩んだ。
●スズキ ワゴンR(初代・1993年)
「サイズが限られた軽乗用車で広いクルマを作るには全高を上げるしかない」という発想と、エクステリアも四角という合理主義も大ヒットの理由だ。
●日産 ラシーン(1995年)
7代目サニーをベースにした今風に言えばクロスオーバーで、時代を先取りしていた。機能的に目立つところはなかったが、デザインを含め和みのある雰囲気により、いまだ愛されている。
●トヨタ メガクルーザー(1996年)
「和製ハマーH1」と言われた自衛隊向け高機動車の民生用で、2170mmという全幅ながら四角さによる見切りのよさと4WSにより、取り回しは意外に悪くなかった。今見ても存在感は別格。
●日産 キューブ(2代目・2002年)
初代モデルに比べると角が取れた2代目キューブだったが、角と丸が絶妙にバランスされ、左右非対称のCピラーのデザインは好評。名は体を表す典型的なモデル。
●ホンダ クロスロード(2007年)
今ならカローラクロスやZR-Vに相当するクロスオーバーSUVで、3列シートを持ち、四角いボディもあり短い全長のわりに3列目が意外に使えたのは素晴らしかった。
●ダイハツ ムーヴコンテ(2008年)
ムーヴをボクシーにしたエクステリアを持つ軽ハイトワゴンで、カスタムはクセを感じるスタイルだったが、標準はいい意味で万人受けするもので成功を収めた。
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