キザシ国内販売の1/4が警察へ!? 名前負けしちゃったクルマ5選

名車の名を受け継ぐもバブルとともに消えた最後のコスモ「ユーノス コスモ」

盛りすぎ!? ネーミングのプレッシャーに負けた!? 名前負けした「かわいそうなクルマたち」
マツダのプレミアムブランドに位置づけられていた「ユーノス」のフラッグシップモデルとして1990年に誕生。その優美なスタイルは「クーペ・ダイナミズム」というキャッチコピーを具現化している

 1967年に登場し、もはや伝説とまでいわれる名車「コスモスポーツ」以来となるロータリーエンジン専用車であるとともに、市販車としては世界初の3ローターエンジン「20B-REW」を搭載したモデルも用意されたことでも記憶に残るのが1990年に登場した「ユーノス コスモ」だ。

 車名である「コスモ」はイタリア語で宇宙を意味する言葉。宇宙ロケットの打ち上げや月面着陸への機運が高まった、初代コスモスポーツ誕生当時の世相を背景に、「宇宙時代にふさわしいエンジンを」という開発陣の想いを反映したものだという。

 そんな「コスモ」の名が冠されたモデルとしては4代目となるユーノス コスモだが、初代のスポーティで宇宙船を思わす未来的なスタイルとは異なり、流麗でハイグレードな高級スポーツクーペとして誕生した。

 大柄な2ドアクーペのみの設定というエクステリアに加え、本革やウッドパネルが多用された豪華なインテリア、世界初となるGPSカーナビを搭載したモデルも設定されるなど、その内容はまさにバブル絶頂期であった90年代を反映した豪華なもの。

 いっぽうでロータリーエンジンならではの燃費の悪さも販売当初から話題となり、特に3ローターの20B搭載モデルではカタログスペックで上でも6.1km/L、実燃費ともなればそこからさらに悪くなるという大食漢ぶりを発揮。そんな点でもバブリーさを体現することとなった。

 バブル景気に陰りが見え始めた1996年、ユーノスブランドの終焉とともにその姿を消したユーノスコスモだが、数少ない3ローターロータリー車に乗ることができるという希少性から「20B-REW」搭載車はいまなお人気が高い。

 タマ数が少ないことも手伝って中古車価格も300万円程度から、程度が良いものとなれば新車価格を大きく上回るものも。

 2ローターの「13B-REW」搭載モデルでも200~300万円程度で、維持費などを考えると決してコスパがいいクルマとは言い難いが、バブル時代に生まれた最後の“コスモ”の上質で優雅な走りを味わえることを考えれば、そう高くはないのかもしれない。

生産台数わずか59台!? 皇室御用達の最高級乗用車「三菱 ディグニティ」

盛りすぎ!? ネーミングのプレッシャーに負けた!? 名前負けした「かわいそうなクルマたち」
政府要人や会社の重役クラスが乗るリムジン仕様の高級車であるディグニティ。写真の初代モデルは秋篠宮家の公用車として宮内庁に納入され、ニュース映像などにもたびたび映し出された

 秋篠宮家の公用車として宮内庁に納入された実績もあり、当時の三菱のフラッグシップモデル的な役割を担って1999年12月20日に発表された最高級セダンが「ディグニティ」だ。

 その車名は英語で「尊厳」や「気品」を意味する言葉が由来で、「技術の粋を集めて作り上げた、比類ない最高級車を象徴する名前」として命名されたという。

 ヒュンダイとの共同開発で誕生し、2000年に発売が開始されたディグニティは、同時期に販売されていたプラウディアをベースにロングホイールベース化を図ったリムジン仕様で、トヨタのセンチュリーや日産プレジデントのライバルという位置づけのモデルだった。

 最大出力280psを発揮する4.5リッターV型8気筒DOHC GDIエンジンを横置きに搭載した前輪駆動車で、幅広のセンターピラーが特徴的な品のあるボディに、豪華な内装とゆとりのある車内という内容でありながら1000万を切る価格は、十分魅力的と思われた。

 ところが、FFである点が最高級のリムジンとしてはイマイチに魅力に欠けた点や、リコール隠しなどで揺れた当時の三菱のイメージダウンなどもあってか、わずか1年余りで販売が終了。

 その生産台数もたった59台と、限定車を除く市販国産車としては生産台数が最も少ないクルマという不名誉な記録を残すこととなってしまった……。

 生産台数が極端に少ないだけに中古車市場でもまず出てくることがないディグニティ。日産・シーマのOEMとして2012年に登場した2代目モデルこそ稀に見かけるものの、こちらもほぼ絶滅状態であることに変わりはないようだ。

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