令和5年と平成5年……30年前と今とでは売れるクルマと価値はどう変わっているのか?

■1993年には300万円でも上級モデルが購入できた?

日産の軽EV、サクラ。普及している背景にはもちろん、政府からの補助金制度がある
日産の軽EV、サクラ。普及している背景にはもちろん、政府からの補助金制度がある

 今後は電気自動車も徐々に増えて、床下に駆動用電池を搭載しやすいことから、背の高いSUVが今以上に目立ってくる。SUVは空間効率も優れているから、充分な室内空間を確保しながらボディを小さく抑えることでも有利だ。

 しかし、価格が高いと購入しにくい。電気自動車を軽自動車サイズで開発した日産サクラが突出して多く売られている背景にも、価格とのバランスがある。サクラXの価格は254万8700円だから、経済産業省による補助金の55万円を差し引くと約200万円に収まる。

 日本車のバリエーションは増えたが、国内需要を支えているのは車両本体価格220万円以下のクルマたちだ。この価格帯の車種をいかに充実させるか、メーカーがユーザーの期待に応えられるか否かはそこで決まり、売れゆきも大きく左右される。

 ちなみに今のミドルサイズカーは、先に挙げたセレナやシビック、さらにインプレッサ、マツダ3、ステップワゴンなどを含めて、売れ筋グレードになると価格が軒並み300万円前後に達する。

 30年前の1993年なら、この価格帯には80型スープラSZ、Z32型4代目フェアレディZ300ZX、9代目クラウン4ドアハードトップ2500ロイヤルサルーンなどが用意されていた。

 30年前の300万円の一般的な物価や貨幣価値は、今とほぼ同じだが、購入できる車種は憧れの上級モデルであった。この点だけを捉えても、クルマに対する興味の持たれ方が30年前と比べて変わったことが容易に理解できる。

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