■トヨタ渾身の標準化プラットフォーム
新型クラウンは、カムリやハリアーなどで広く採用されているGA-Kプラットフォームに、ホイールベース延長などの改良を加えたプラットフォームを新たに採用しています。
クラウンのリア回りは、リアウィンドウとトランクリッドの接合部に平らな面を作るとさらに空力的にはいいのですが、斜めのラインでスッと流しています。
まあ、全体のフォルムをバランスさせるとこの造形にしたいデザイナーの気持ちはわかります。リアエンドのボディサイドも丸めていて、車体サイドを流れた風が剥離して、車両後方に渦ができます。
トランクリッドの終端部にスポイラー形状を作っていますが、小さすぎてあまり効果は期待できません。ポルシェ911は、リアを斜めに落とすフォルムをしていますが、大きなスポイラーで風の流れを制御しています。あのスポイラーは見栄えのためではなく、あの形と大きさが必須なのです。
X4はリアゲートエンドに平らな面を作っていますが、風を水平に後方に流すには、もっと平らな面を長くとりたい。その不足分を補うためにX4のリアゲートエンドにはリップスポイラーが装着されているのです。
X4の車両後端の側面の形状は、いかにもBMWらしく細かな工夫をして、後方にまっすぐ綺麗に風を流す形にしています。
■クラウンはトランクのアームに課題
トランクルームを見ると、クラウンは奥行きが深く、容量が大きく見えますが、よく見てください。クーペ形状を作ったために開口部が狭く、奥深くまでは手が届きません。
また、リッドを支えるアームが大きくトランク室内に張り出す形状となっています。大きなキャリーバッグをキッチリ積むと、このアームの張り出しが荷物に当たってしまいます。高さのある荷物を左右いっぱいには積み込めないのです。
ベンツだとこのアームはギリギリまで車体際に寄せて、しかも内装トリムの内側に入れることで最初から荷物に干渉しないようになっています。
クラウンのように、トランクリッドを閉めた際に収納した荷物にアームが張り出して食い込むようでは、お客さまの大切な荷物を傷つけてしまいます。これらは、企画の商品性検証などで事前に把握していないのでしょうか? 高級車ではなく大衆車の仕様です。
エンジンルームを見ると、車体構造はGA-Kプラットフォームなので、ストラットアッパーがダッシュパネルに直付けされ、ダッシュパネルに沿った補強メンバーが渡されたガッチリした構造です。
それはいいのですが、クラウンなのにボンネットフードはダンパーではなくロッド式ですか? フードはアルミで軽量化をしていますが、ロッド式というのはちょっと安っぽい。
コメント
コメントの使い方毎回気になるのですが、水野さんが持ってるこの点数のボードは一体何ですか?
何かのスポーツの点数表でしょうか?
どなたか教えてください