■なかには警察や隊の本部に「凸電」してくる人も!?
上から目線のありがたいお言葉は、電話で警察本部や隊本部に寄せられることもある。一言もの申しておかないと、気が済まないタイプの方々なのだろう。
私も新隊員の頃「パトカーで危ない運転をしていた隊員がいる」と電話にてご意見をいただいたことがある。
しかも「注意しようと追いかけていったら、乗っていた隊員に怖い顔をされた」とも。それがどうやら私だったらしいのだ。
苦情の申立人は、医師ということだった。
「当時国会議員をしていた元都知事とも一緒にゴルフをする間柄なのだ」と言う、超がつくほどの上からの物言いだったという。
そのクレームにビビった中隊長が、私の相勤者だった班長にお詫びの電話をかけさせてしまった。
気の毒に、班長はひたすら低姿勢でその医師の方に「失礼しました、今後、気をつけますので」と反省の弁を述べさせられたのであった。
まあ、相手も反省させたという戦果を得て満足したのか、よけいな説教もせず電話を終えてくれたのが幸いだった。
いっぽうで、班長もさすがベテランらしくケロッとしていて、新隊員の私に「ああいう先生には素直に一言詫びればいいから」とアドバイス。
さらに、あのように警察官に注意、指導したがる先生はたくさんいるので、白バイや交パを運転する時は周囲の目が自分に注がれていることを十分、認識しておくようにと教えてくれた。
まあこれもクソつかみの一つ。ひたすら我慢の子なのが白バイ隊員たちなのだ。
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●洋吾(ようご):元警視庁の警察官。交通機動隊や警察署の白バイ隊員を長く務める。運転技術はいまいち、ドジでオッチョコチョイだが、3年連続で取り締まり件数トップの実績もあり。ブログ「脱公務員の部屋・元白バイ乗り親父の話」を公開中。2022年10月『白バイ隊員 交通取り締まり とほほ日記』を上梓。同書のイラストは同ブログのマスコットキャラクター「ニャンコ白バイ隊」。
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