リトラクタブルライトの復活もありえるかも!? いまこそ復活してほしい装備5選

“マイベスト”のカセット編集を不要にした画期的発明「CDチェンジャー」

あの便利さを取り戻したい!! いまこそ復活してほしい装備
2002年式のスバル・「レガシー」に採用されていたMDプレーヤー&6連奏CDチェンジャー。スロットイン方式で6枚のCDを視聴できた

 カーオーディオの主要な音楽ソースがカセットテープからCDへと移り変わった頃、それまで、1枚聴き終えたら、別の音源をセットするのが当たり前だった時代に、革命をもたらしたのが「CDチェンジャー」だった。

 トランクに設置した直方体の黒いデッキに、複数枚のCDをまとめたマガジンをセットすることで、運転中に音源を差し替える必要のあった従来のカーオーディオとは異なり、複数枚のお気に入りのCDから気分で好きな曲を視聴することが可能に。

 そんなCDチェンジャーはまさに別次元の視聴体験だった。

 かつて、バブル前後に青春を謳歌した世代にとって、愛車でのデートは「MY BEST」なるタイトルを付けた恋愛ソングを編集した“ハイポジ”カセットテープとともにあったハズだが、このCDチェンジャーの登場とともに、そうした“仕込み”の作業は不要になった。

 当初は複数のCDを収めるという性質上、スペースに余裕のあるトランクへの設置が基本となっていたが、最盛期には小型化が進み、グローブボックスや1DIN、2DINスペースに収まるものが開発されたほか、最終的は50連奏+1枚(!?)という圧巻の連続視聴を可能とする製品も誕生した。

 その後、カーオーディオにおける音楽ソースの覇権はCDから、MiniDiskなどを経て、手軽さやサイズ、容量、経済性などにおいて勝るMP3などのオーディオファイルを記録したUSBメモリやSDカード、iPod、スマートフォンでの音楽配信サービスの普及でその役割を終えたことはご承知の通り。

 物理的な音飛びの問題もあるが、車内で自身所有の音源を好きなアレンジで聞けること、懐かしのジュークボックスのような郷愁、地方の山岳地帯など電波の届きにくい場所でも聞けるなど、CDチェンジャーには現代にも通用するメリットがある。

旧車から受け継ぐ自動車装備の“生ける化石”「フェンダーミラー」

あの便利さを取り戻したい!! いまこそ復活してほしい装備
国産唯一のタクシー仕様車「ジャパンタクシー」は現行車では唯一、標準仕様でフェンダーミラーを装着している

 左右の後方を確認するミラーは、現在のようなドアミラーが採用される以前はボンネット前方に設置する「フェンダーミラー」が一般的だった。

 フェンダーミラーにはドアミラーに比べて、視線移動が少ないという安全面でのメリットがある。目線の移動が少ないことは疲労感の軽減にもつながる。また、ミラーに映る範囲が広くなるために視界も広めに確保でき、車幅の感覚をつかみやすいなどの利点もある。

 さらにドアミラーより車体からのはみ出しが少なくなるため、狭い道での取り回しにおいても優れ、空力特性的にも有利とされる。

 一方で、ドアミラーよりも鏡面が小さいためにミラーに写る鏡像が小さくなってしまう、電動調整がない場合、角度調整が面倒、雨天時には水滴で視界が悪くなりやすいというのが難点。

 そしてフェンダーミラー絶滅の大きな要因が、歩行者と接触した際に与えるダメージが大きいという安全性の問題だ。

 このように清濁あわせ持つフェンダーミラーだが、タクシーやハイヤー、公用車の一部ではいまだ採用が続いている。

 だが、これには先に挙げたメリットとは別の理由があるらしい。それはドライバーが助手席側後部座席に座る要人や乗客を確認する際、助手席側のミラー越しに後席の乗客とドライバーの目線が合ってしまうことを避けるため。

 フェンダーミラーなら目線を移す程度ですむが、ドアミラーは目線だけでなく顔を助手席側へいくらか向ける必要があり、この所作が後部座席の人の目に「ドライバーが聞き耳をたてている」と映ってしまわないようにという配慮があるらしい。

 つまり、フェンダーミラーとは、“察しと思いやり”という実に日本的な思想に溢れた装備であり、いわゆる“ショーファードリブン(お抱えの運転手が運転するためのクルマ)”においては、世界に誇るおもてなし装備なのである。

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