読者の皆さんは首都高箱崎ロータリーの魅力にお気づきだろうか。ここはいわば、首都高の迷宮でありダンジョンである。いったいなにがすごいのか。そのカオスっぷりと昭和廃墟の味わいを、首都高研究家が9つに分けて解説差し上げたい!
文/清水草一、写真/清水草一、東京シティエアターミナル
■カーナビが効かない魔のラビリンス?
首都高は、右から左から分流・合流の連続で、一見さんには攻略が難しいと言われている。しかし首都高本線はまだいい。そのヘソとも言われる箱崎JCT内部の複雑怪奇ぶりは、首都高の濃縮エキスである。
箱崎JCTは、基本的に2層構造になっている。上層は本線JCT部で、6号向島線に9号深川線が接続するごく真っ当なJCTだ。今回そちらについては省略し、“ラビリンス”と呼ばれる下層側についてのみ説明しよう。
箱崎JCTには出入口もあり、すべてJCT下層のいわゆる箱崎ロータリー(=ラビリンス)に接続している。その奥の深さには、首都高研究家の私も脱帽するしかない。
その1:カーナビは効かず、案内もない
箱崎ロータリーは、ロータリーというだけあって、長い楕円形をした本物のロータリーであり、周回することができる。首都高は「分流を見逃しても周回できるので安心」と案内しているが、上層と下層の判別が困難なカーナビは、高い確率で正確な自車位置を把握できず、案内を誤ってしまう。予備知識のない利用者にとっては、魔のラビリンスでしかない。
このロータリーは、6号上り・6号下り・9号上り3方向すべてから入ることができ、ロータリーを経て3方向すべての本線に合流することができる。つまり、箱崎ロータリーを使えば、元来た方向にUターンすることもできるが、そんな案内表示はない。
箱崎ロータリーを通過して、6号向島線本線をバイパスすることもできる。かつて箱崎JCTが渋滞のメッカだった頃、主に下り方向でタクシーがこの手を使った。ほんの少し速いだけですが(遅い可能性もあった)。
その2:出口は4つある
このロータリーに入るためには、「箱崎出口」の表示に従って、まず本線から下層に降りる必要がある。本線側に表示されるのは「箱崎出口」だけだが、実際には箱崎ロータリー内には4つの出口があり、間違った出口で降りると、自分がどこにいるのかわからなくなる。
4つの出口とは、箱崎出口、浜町出口、清洲橋出口、そして東京シティエアターミナル専用出口だ。6号線下りの「箱崎出口」の表示に従って直進すると、浜町出口で出てしまうので注意が必要だ。
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