見た目だけで若者を動かすことはできなかった!??
このIDx フリーフローとIDx NISMOは、その完成度の高さゆえに、「シルビア後継の後輪駆動スポーツカーでは??」と、当時大いに話題となりましたが、冒頭でも触れたように、現在に至るまで市販化はされていません。日産は、Z世代とともにつくることで、若者にも響くクルマを造ろうとしたわけですが、「若者と一緒につくれば、若者にウケるクルマを造ることができるはず」という思考でつくられたクルマが、(若者が「よし」としたとしても)本当に若者が「欲しい」クルマだったのかは、微妙なところです。
たとえば、IDx NISMOの逆スラントノーズの3ボックスクーペは、60年代のスポーツカーそのままですが、60年代中盤の日本グランプリでおこしたスカイラインの奇跡なんて、90年代生まれの世代にとっては遠い世界の話。おそらく、日産の都合で始めからベース車が決められていたか、相当に旧車好きなZ世代が混ざっていたか。大人の都合でお膳立てされた選択肢から選んだ、といったことも考えられます。
市販化されなった理由は定かではありませんが、モーターショーでの反応が思わしくなかったことで、市販化は見送られたことも考えられます。日産は「新たな商品開発手法を取り入れた」としていましたが、見た目だけで若者を動かすことはできなかった、ということなのかもしれません。
こうしたコンセプトカーを見ることができるのが、モーターショーの醍醐味!!
若者にとってはイマイチだったとしても、特にIDx NISMOは、我々オジサン世代にとっては、現代版のハコスカともいえる、胸アツなモデル。市販化されなかったことから、ファンのなかには自分でレプリカをつくってしまったという人もいたほど、期待されたクルマでした。
残念ながら市販化は敵わなかったIDx フリーフローとIDx NISMOですが、こうしたコンセプトカーを見ることができるのが、モーターショーの醍醐味。ジャパンモビリティショー2023では、どんなコンセプトカーが我々クルマファンを熱くしてくれるのか、いまから非常に楽しみです。
【画像ギャラリー】市販してほしかった!! 東京モーターショー2013で登場した「IDxフリーフロー」と「IDx NISMO」(21枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方カルロス・ゴーンが当時のマクロン経済大臣に日産をルノーの100%子会社化するように圧力をかけられ、パワー88までの勢いある計画が全て凍結されたのですよね。
それに反発したアンディ・パーマー副社長も更迭され、アストンのCEOになりました。
インフィニティの社長だったヨハン・ダ・ネイシン氏も更迭されました。
そうでなければ、インフィニティQ80やQ50オールジュなども発売されていたと思います。
ミニカー持っていますが、今見ても格好いいですよね。
なのに自称ファンの人々が、こんなのシルビアじゃないとかダサいとか、散々な反応したから潰えた部分もあると思います。
もちろん、V字回復後とは言っても、マレーシアでの販売計画とん挫など余裕がなかった時期だったという理由もあるでしょうけれど
当時大問題だった極端な新型車の少なさを、一番インパクトもって挽回できる車種だったのに残念