■打倒パブリカをめざして日本でも発売
なお、この423ccのエンジンを搭載するモデルは、日本国内でも「スバル450」という名前で1960年10月から販売がなされている。
当然ながら排気量は当時の軽自動車枠を超えているため、小型乗用車としての登録となるスバル450。
しかし、当時の普通車であった500ccのエンジンを搭載する三菱500よりも高出力で、700ccのエンジンを搭載するパブリカに迫る出力を持ち合わせており、当時のカタログにも「新しい時代の高性能車」と銘打っていた。
ただその一方で基本的なボディはスバル360と変わらず、オーバーライダー付きの大型バンパーや大型シールドビームなどを備えていたものの、見た目はほぼ軽自動車ということがアダとなり、販売面では苦戦を強いられることになる。
モータリゼーション黎明期の当時は(今もかもしれないが)立派なボディも分かりやすいアピールポイントのひとつとなっており、軽自動車モデルと大差ないデザインのスバル450はいまひとつユーザーの心を掴むには至らなかったようだ。
結局スバル450は1966年4月で生産を終了し、およそ6年間で1500台ほどを売るに留まってしまっている。
このように販売面では成功したとは言い難い輸出仕様やスバル450ではあったが、結果的にスバル・オブ・アメリカが設立されるきっかけとなったり、海外進出の足掛かりとなったりと同車が果たした役割は販売台数以上に大きく、スバル360の派生車のひとつで片づけてしまうのはもったいないと言えるだろう。
【画像ギャラリー】海を越えた「てんとうむし」!! 海外でも販売されていたスバル360(21枚)画像ギャラリー
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