■やってみたらどうにかなるもんだ!
佐渡警察署もスバルと佐渡観光交流機構の取り組みに理解を示してくれたこともあり、安全に関係するいくつかの条件はあったものの、7月下旬に正式に「大佐渡スカイライン」を占有し、ナンバーのないプロトタイプを走行することを認めてくれたという。
ただし、道路の占有許可は警察ではなく、新潟県佐渡地域振興局が管轄という事で、そこであらためて正式な占有許可を取付けた。
試乗会予定日から1カ月前のタイミングでギリギリではあったが、このタイミングであれば準備は何とか間に合う。佐渡島で実施できる見通しが立ったことに広報部員は喜び、具体的な準備に取りかかった。
彼はこの時、「どうにかなってしまうもんですね」とやや謙遜気味に言っていたようだが、その言葉の裏には、第一関門を突破したという達成感が強くあったのは言うまでもない。
■試乗会であふれ出た「佐渡パワー」!
スバル広報部の面々は途中8月の夏季休暇も挟みながら試乗会の準備を進めた。特に担当者の山内氏はせっかく実現まで漕ぎつけた佐渡試乗会を成功に終えるべく、直前まで細かなところまで目を配り、準備を率先して進めた。
そしていざ試乗会が本番を迎えた。メディアは、「ジェットフォイル」(約1時間の道中)で佐渡島の両津港から上陸。参加者の9割が初佐渡だったということらしい。1泊2日の行程で、レイバックの試乗の合間には、島内を自由に回ってもらいつつ試乗してもらおうと、インプレッサとクロストレックも持ち込んだ。
メディアからはたらい舟が特に人気だった。レイバックの試乗コースとした大佐渡スカイラインは、事前のロケハンで評価するにはふさわしいコースだと思っていたようだが、そこは狙いどおり、参加者の大半が道幅やコースティング、路面コンディションが非常にいいとコメントしてくれたのだという。
「何よりレイバックの新たな価値となる乗り味のよさをしっかり体感してもらい、想定以上の評価をいただくことができた」とは山内氏の弁。佐渡というロケーションは、商品やスバルのブランドを引き立ててくれる非常に魅力的でパワーを持つ場所だということもメディアの様子を見てわかったそうだ。
9月7日にいよいよレイバックの情報解禁を迎えた。ベストカーWebでも記事を公開したが、読者の注目度も高く、レイバック関連の記事は軒並み高いアクセス数を記録した。今回の佐渡試乗会でスバル側が意図していた具体的なクルマとしての世界観、新しいブランド価値創出などについてこれまでとは違った形で読者は敏感に感じ取っていたのかもしれない。
情報解禁後、全国のスバルディーラー販売店では、佐渡の記事や動画を見て来店したユーザーが非常に多いそうだ。受注も好調に推移しているようで、「今回スバル広報として狙っていたことは、ある程度実現できた」と山内氏は語っていた。
また、彼(山内氏)をはじめ佐渡観光交流機構の三條氏や佐渡警察署の方々が互いに理解し合い、協力して、新たに挑んで実現できたこの試乗会は、今後のスバルの広報活動のひとつの指標になるだろう。
【画像ギャラリー】なんと佐渡島で事前のプロトタイプ試乗会が実施された新型SUV「レヴォーグレイバック」!! なぜ佐渡で実現できたのか?(89枚)画像ギャラリー
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